〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

国家のお墨付きのない仮想「金貨」2018/09/22    

竹中平蔵先生(慶應義塾大学名誉教授・株式会社パソナグループ取締役会長)によれば、仮想通貨は「国家のお墨付きのないおカネ」なのだそうです。

今までは、一種の国がお墨付きを与えるようなインフラがないと社会が機能しませんでした。例えば私がどこかに宿泊するとなると旅館業法に基づく旅館やホテルじゃないと安心して泊まれなかったわけですよね。同じように、通貨決済の手段としても、国や権威やお墨付きが無ければ安心できなかったのだけれども、新しい技術を駆使することによって、そうじゃなくてできるようになった」
(出典:https://coinchoice.net/takenaka_heizo_bitcoin1/

上記のとおり竹中先生は「新しい技術を駆使することによって、国の権威やお墨付きが無くても安心して通貨決済の手段として使えるようになった」と仰っておられます。

ですが、またもや不正アクセスによって67億円相当の仮想通貨が外部流出してしまいました。

『仮想通貨67億円相当が流出…「ザイフ」から
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180920-OYT1T50037.html
仮想通貨交換業者「テックビューロ」(大阪市)は20日、同社が運営する交換所「ザイフ」から、「ビットコイン」など計3種類の仮想通貨(約67億円相当)が不正アクセスによって外部に流出したと発表した。(後略)』

百歩譲って、駆使される新しい技術がさらに進歩していけばこうした問題は克服されるのかもしれませんが…

そもそも国家のお墨付きのないおカネが、本当に「おカネ」たり得るのでしょうか。

おカネのなかのおカネといえば、むろん「現金通貨(紙幣)」です。

例えば、私たちが平素より使っている千円札(日本銀行券)は、ただの紙切れです。

ご承知のとおり、この千円札(日本銀行券)という紙切れには、金や銀などの貴金属としての裏付けなどありません。

一方、米国政府が発行するドルは、1971年8月までは金との兌換が約束されていました。(これを「金本位制」という)

ところが、世界経済が拡大して米ドルが海外に流出するにつれて、米国の金の保有量が激減していきました。

また、金という有限性の高い「モノ」を貨幣の裏付けとしていたことで、米国の通貨発行量が制約されてしまいました。

通貨発行量が制約されてしまうと、デフレ対策のための財政出動、あるいは通貨供給量の調整といった財政主権や金融主権は失われることになります。

結果、通貨には何ら貴金属の裏付けはいらない、という「不換紙幣(兌換紙幣ではない紙幣)」が世の主流になったわけです。

ビットコインは、円やドルなどの不換紙幣とは異なって、発行数に上限があります。

上限に達してしまうと、それ以上は発行することができません。

ときおり、ビットコインの価格が過度に上昇するのはそのためです。

予測可能な有限性が高いと、瞬間的な投機の集中で簡単にバブルになります。

その点、ビットコインは「仮想通貨」というより「仮想金貨」です。

こうした投機性の高い金融商品が「通貨(おカネ)」となりえるのでしょうか。

現在のように、不換紙幣としての円やドルが通貨として安定的に流通しているのは、何よりも国家のお墨付きがあるからです。

即ち、国家のお墨付きのないおカネは「おカネ」たり得ないと思うのです。