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議会報告 政治・経済

きょうのことば「国民医療費」2018/09/17    

日本経済新聞の朝刊に、「きょうのことば」という用語解説コーナーがあります。

時事問題に関する言葉の解説が、毎日たいてい3面左下あたりに掲載されています。

本日(9月17日)の「きょうのことば」は、国民医療費についてでした。

『国民医療費とは 15年度42兆円、1人当たり33万円
きょうのことば
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO35441330W8A910C1NN1000/
国民医療費 国民の病気やケガの治療のため、医療機関に支払われた総額。健康保険からの給付のほか、患者の窓口負担、生活保護など公費で賄う分を合算する。2015年度の国民医療費は42兆3644億円にのぼる。1人当たり33万3300円だ。高齢者ほど費用がかかる傾向にある。(後略)』

記事は国民医療費について解説しつつ、「負担の見直しや伸びの抑制が急務になっている」として、いかに政府や国民の医療負担を抑制するかを論じています。

例によって、まるで費用のかかる医療費は無駄金(むだがね)であるかのように…

さて、GDPとは国民の所得の合計であり、またモノやサービスの生産の合計であり、需要(支出)の合計でもあります。

国民経済において「国民が豊かになる」ということは、国民一人当たりの所得(GDP)が増えることです。

そのことが幸せかどうかは価値観としての問題ですが、少なくとも国民一人当たりの所得を増やすことこそが政治の目的たる「経世済民」です。

GDPを支出面(需要面)でみますと、
①政府消費支出
②民間消費支出
③公共投資
④民間設備投資
⑤純輸出
の5つに分類されます。

①~④が内需ですが、ご承知のとおり、我が国は1998年にデフレ経済に突入して以来、民間部門による消費や投資が低迷しています。

また「国の借金がぁ~」というファンタジー理論が世に蔓延っていることから公的部門の消費や投資も増えておらず、そのことがまたデフレを助長しています。

そうしたなか、皮肉にもGDP(需要)を下支えしたのが国民医療費です。

なぜなら国民医療費のうち、公費負担は①の政府消費支出であり、個人負担は②の民間消費支出、あるいは医療機関が新たな医療機器などに資金を投入すれば④の民間設備投資に勘定されるからです。

下のグラフのとおり、2011年以降、国民医療費はGDPの8%を担っています。

要するにGDPの8%が医療関係従事者の所得になっているわけですが、それのいったい何が問題なのでしょうか。

今後、着実に拡大していくであろう医療需要を満たしていくためには、むしろ医師や看護師などの医療従事者の給与を引き上げ、加えて医療部門へ更なる投資を行っていくことが求められます。

問題は、デフレ経済によって医療部門以外のGDPが拡大していないがために、日本国民が総体として貧困化していることです。

よって一刻もはやくデフレ経済を克服し、一人当たりの所得(GDP)を拡大することが先決です。

そうした肝心なことには一切触れず、ただ「国民医療費をいかに減らすか」みたいな解説を載せる新聞。

これほどに経世済民(経済の語源)を理解していない経済新聞も珍しい。