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議会報告 川崎市政

経世済民に反する財政議論2018/09/14    

現在、平成30年川崎市議会第3回定例会が開催されています。

一昨日、昨日と各会派の代表質問が行われました。

むろん無所属の私には代表質問はできませんので、議場でただ聴いているだけ。

聴いていて改めて思ったのは、政治の要諦は「経世済民」にあるということです。

それを正しく理解していないと、本末転倒の議論になってしまいます。

現に、昨日もそうでした。

当たり前のことですが、おカネ(貨幣)に対する正しい理解がないと、経済や財政を正しく語ることができません。

なにより、行財政を「家計簿」で考えてしまうという最悪の愚を犯します。

例えば、「おカネ(貨幣)」「領土」「国家」は、密接な関りをもっています。

なぜなら、おカネ(貨幣)は、領土を基盤とした政治主体である国家によって発行されているからです。

貨幣の価値を担保しているのは国家権力であって、金や銀などの貴金属ではありません。

即ちおカネ(貨幣)は、金銀などの貴金属の類いで担保されているという間違った知識こそが、行財政を「家計簿」で考えてしまう根本です。

2013年3月に黒田日銀総裁が誕生して以来の量的緩和(日本銀行による国債購入)によって、既に359兆円ものおカネ(貨幣)が発行されています。(2018年8月現在)

さて、これら発行された359兆円のおカネ(貨幣)は、どこに行ったのでしょう?

答えは、民間銀行が日本銀行にもっている当座預金(日銀当座預金)にです。

おカネ(貨幣)は発行されているのですが、これを借りて使ってくれる人がいないため、日銀当座預金に溜まり続けています。

なぜいない?

デフレで総需要(投資・消費)が低迷しているからです。

供給されたモノやサービスを需要する経済主体は主として次の4つです。

①政府部門、②企業、③家計、④海外部門

①の政府部門は、国も地方も緊縮財政です。

②の企業は、前述のとおりデフレで投資対象が乏しい。

③の家計は、もともと収入以上の支出をしづらい貯蓄型経済主体です。

④の海外部門(輸出)は、いわゆる外需ですので、為替を操作するくらいしか国内政策でコントロールすることはできません。

では、デフレ経済下において資金量の制約を受けることなく需要を拡大できる経済主体は①~④のどれでしょうか?

むろん①の政府部門です。

どうして資金量の制約を受けないのか、おカネ(貨幣)の価値を担保しているのは国家だからです。

家計簿脳は、おカネを(貨幣)を貴金属と同様に考えています。

国であれ、地方であれ、もともと政府部門は大きな需要を担っています。

川崎市の市内GDPは約5兆円です。

それに対し、川崎市の予算規模は約1.4兆円(今年度ベース)です。

こうした政府部門としての自治体が緊縮予算で需要(歳出)を縮小したらどうなりましょう。

むろん市内GDPに縮小圧力がかかります。

市内GDPが落ち込むと、市民所得は減少し税収が減ります。

これを財政の悪化と言います。

なによりも市民所得を減少させること自体が「経世済民」に反しています。

家計簿脳の人たちには、この理屈がどうしても理解できないようです。