〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

板挟み状態の文在寅政権2018/09/03    

去る8月29日、韓国ソウルで、最低賃金の引き上げ政策に反対する自営業者の集会が大々的に行われました。

最低賃金とは、企業が労働者に支払わなければならない賃金(時給)の下限です。

文在寅政権は「所得主導による経済成長」を掲げ、最低賃金の引き上げ政策を推進しており、来年の最低賃金を今年より10.9%増やして時給8,350ウォン(約835円)にすると決めたのですが、これ以上の人件費上昇は自営業者の経営を根底から圧迫するものだとして反対集会が開かれたようです。

一方、労働者のほうも「もっと最低賃金を引き上げろ!」というデモや集会を開いているようで、文在寅政権は板挟み状態になっています。

韓国だけでなく世界的に低賃金労働者が増加している根本的要因は、グローバリズム経済です。

いわば低賃金労働者は、グローバル企業やグローバル投資家らの利益を拡大するたの奴隷といっていい。

グローバリズム(小さな政府の世界的普及)が進めば進むほど、低賃金労働者は増えていきます。

日本でも深刻な問題ですが、いまや韓国は日本以上にグローバル経済の植民地と化しています。

グローバル化による実質賃金の低下が消費需要の低迷を招き、人件費(労働分配)の抑制で利益を確保できる企業は投資を疎かにする。

こうして消費と投資という需要が低迷し、総需要が不足するデフレ経済になるわけです。

デフレ化すればするほど、グローバリストたちの利益は拡大します。

よって、デフレ経済はグローバリストたちにとって、ある意味「花の楽園」なのです。

昨日も川崎市のインフレ率の低さをご紹介申し上げましたが、韓国のインフレ率も1%台です。

インフレ率の低迷するデフレ経済が続く限り、実質賃金は上がりません。

だから労働者からは最低賃金を引き上げろという声が高まります。

とはいえ、需要の低迷するデフレ経済下で人件費が上がると、まず中小零細企業の経営が圧迫されることになります。

文在寅政権が板挟みになる理由がそこにあります。

よって文在寅大統領としては、まずはデフレを脱却することが先決だと思うのですが、それには財政支出の拡大や各種の規制強化が伴います。

これまた、グローバル企業やグローバル投資家たちが、それを許してはくれない。

とくに日本以上にグローバリズム経済の植民地と化している韓国では困難でしょう。

周回遅れでグローバリズム政策を進めている日本においても、今日のような韓国経済の悲惨な状況はけっして他人ごとではありません。