〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

憲章に従って負っている義務を誠実に履行していない日本2018/08/30    

安倍総理が「日本を取り巻く安全保障環境は現在の防衛大綱を設定した5年前に想定したよりも格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増している」と指摘し、防衛大綱見直しの必要性を訴えています。

明日が締め切りとなる来年度予算概算要求で、防衛費がどれだけ積み上げられているのかは解りませんが、もともと我が国の防衛費は国際水準を大きく下回っています。

下のグラフのとおり、我が国の防衛関係費の推移をみますと、1998年のデフレ突入と歴代内閣による緊縮財政によって線グラフが大きく抉れています。

安倍政権になってから増えたとはいえ、いずれにしてもGDP比1%未満です。

さて、昭和31(1956)年12月、我が国は国連に加盟しました。

国連とは、加盟国による集団安全保障体制を確立するための国際組織です。

国連憲章第1条〔目的〕には「国際連合の目的は、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること」とあり、この集団的措置こそが集団安全保障に基づく措置(具体的行動)のことです。

次いで、国連憲章第2条〔原則〕には「すべての加盟国は、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならないとあります。

当然のことながら、ここで言うところの「すべての加盟国」には日本も含まれます。

よって我が国は、国連加盟国として、国連の目的とする集団安全保障の集団的措置への義務を誠実に履行しなければならないわけです。

集団的措置には、軍事的措置や経済制裁などの非軍事的措置がありますが、装備体制についての責務も含まれます。

これは「犯罪の防止」(Prevention of crime)という英米法の慣習が根拠になっています。

かつてロンドン警視庁がスコットランドヤードと呼ばれ未だその力が弱かったころ、村々の防犯体制は、基本的には村人たち自らが協力し合って取り締まるというものでした。

これが集団安保のはじまりです。

その際、各家庭には、その経済力に応じた装備と人員が義務付けられました。

それと同じように、国連憲章が言うところの「集団安全保障」への責務を果たすためには、各国がその国力(GDP)に応じた装備と人員を配備しなければならないわけです。

現在では、GDPの2~3%の防衛費が、責務を果たすためのいわば国際水準とされています。

前述のグラフのとおり、我が日本国の防衛費はGDP比で僅か0.9%です。

即ち我が国は、憲章に従って負っている義務を誠実に履行していない国なのです。

仄聞するところによると、現在、予算状況の厳しい自衛隊は、演習に向かう際、利用料金がかかってしまうため高速道路は使用せず、なんと一般道で往復しているそうです。

一方、在日米軍は無料で高速道路を利用できるのだとか…

笑うに笑えない話です。

防衛大綱を見直すのは構いませんが、充分なる予算をともなうものにしてほしいと思います。