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議会報告 政治・経済

ベネズエラのハイパーインフレから学ぶもの2018/08/29    

政治の目的は「経世済民」です。

経世済民とは、国民の安全を守り、国民を豊かにするための政治、という意味です。

因みに、この民が「経済」の語源になっています。

さて、経世済民の目的を達成するために国家は様々な「制度」を設けています。

例えば、行政という制度、司法という制度、立法という制度、金融という制度、国民皆保険という制度などなど、そして「通貨」というのもまた経世済民を達成するための一つの制度です。

南米ベネズエラは今、恐るべき勢いで通貨の価値が下落する「ハイパーインフレーション」(以下、「ハイパーインフレ」)に見舞われています。

ハイパーインフレの定義は、インフレ率(物価上昇率)が一年間で13,000%以上です。

国際通貨基金(IMF)は先月、ベネズエラのインフレ率が年内に100万%に達するとの予測を発表しています。

なんと、13,000%をはるかに超える1,000,000%です。

米国の経済制裁なども加わり物資不足が深刻化していて、インフレ率は加速しているようです。

ベネズエラから海外に脱出する難民が後を絶たず、周辺国にも悪影響が出ています。

1週間くらい前、ベネズエラ政府は通貨の単位を5ケタ切り下げるデノミ(通貨単位の切り下げ)を実施しましたが、この間、新通貨ボリバルソベラノの市中レートは対ドルで29%下落するなど、通貨急落に歯止めがかかっていないようです。

今朝、お馴染みの某経済番組で「ベネズエラのハイパーインフレから日本は何を学ぶべきか」というコーナーを視ました。

解説者の結論によれば、「いますぐ問題があるわけじゃないけど、我が国の政府債務残高対GDP比は大きいことから、日本も先々気をつけなければならない…」とのことでした。

はぁ?

このペテン解説者のズルイところは、「日本が何に気をつけるべきなのか」は一切言及しないことです。

なぜ言わないのか?

要する、解かっていないから「言えない」のでしょう。

では、日本とベネズエラの政府債務残高対GDP比を比較してみましょう。

確かに、我が国の政府債務残高対GDP比は、ベネズエラ政府に比べ大きいです。

しかしながら、もしも前述の解説者が言うように「政府債務残高の大きさがハイパーインフレの可能性につながる(⁉)」のであるのならば、とっくの昔に日本はハイパーインフレになっていなきゃおかしい。

しかも、現在の日本のインフレ率は何パーセントだと思っているのでしょうか。

わずか0.8%(コアCPIベース)です。

繰り返しますが、ベネズエラのインフレ率は100万%です。

そもそも日本はベネズエラのようにインフレで苦しんでいるのではありません。

デフレという物価の下落苦しんでいます。

日本の政府債務残高が増えたのもデフレだからです。

ベネズエラの場合、国内の物資が不足するほどにモノやサービスを供給する力が弱いなかで、政府が財政支出(通貨量)を拡大し続けたことからハイパーインフレになりました。

よって、日本がベネズエラのハイパーインフレから学ぶものがあるとすれば、政府が財政支出を拡大すればインフレ率が上昇しデフレを脱却できる、ということです。

デフレから脱却することができれば、政府債務対GDP比率は自ずと縮小していきます。