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議会報告 政治・経済

NHK大河ドラマと総理の出馬表明2018/08/28    

史実と異なる描写の多さにいよいよ辟易として、ここのところ私はNHK大河ドラマを全くと言っていいほど観ていません。

史実を捻じ曲げる!?、のはNHKの真骨頂なのでしょうけど。

きのう、いま放映されているNHK大河ドラマ『西郷どん』を観た人から教えて頂いたのですが、一昨日(8月26日「第32回放送」)は「薩長同盟」だったそうです。

これまた、まるで史実とは異なる内容だったそうな。

NHKとしては主役が西郷さんなので「西郷さんこそが薩長同盟の立役者だった」と描きたかったのでしょう。

とはいえ、現実(史実)の薩長同盟の主役は、何と言っても長州藩の高杉晋作と薩摩藩家老の小松帯刀の二人です。

当時、長州の実権を掌握していた高杉晋作の命を受けた桂小五郎が、薩摩の家老である小松帯刀と同盟を結んだのであって、西郷隆盛や大久保利通はその交渉事務を任されたに過ぎません。

高杉と小松がいなければ、まちがいなく薩長同盟は成立していませんでした。

それなのにドラマでは、高杉の存在は全く描かれておらず、小松の存在も薄かったといいます。

京都の薩摩藩邸から約1キロ北上すると鞍馬口があります。

そこに小松帯刀の私邸があり、薩長同盟はそこで締結されました。

多くの映画やドラマなどでは薩摩藩邸で会談が行われ同盟が締結されたように描かれていますが、それはフェイクです。

小松の屋敷で行われた理由は、桂小五郎を薩摩藩邸に招くことは桂にとっては屈辱であり苦痛であろうと小松が察し配慮したためです。

一昨日放映された『西郷どん』では、小松が飾り物のように描かれ、尊大な態度の桂が登場し、大久保利通が島津久光の側近として尽力したように描かれていたそうです。

しかも、家老の私邸で密かに薩長同盟が結ばれようとしているのに、大勢の薩摩藩士が家老である小松の許しもなく、ずかずかと上がり込んで大騒ぎをするドタバタ劇だったとか…

ほとんど喜劇です。

前々回の『西郷どん(第30回)』の平均視聴率は、10.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったそうで、1桁台に陥落寸前なのだとか…

ところで興味深いのは、その『西郷どん』(「薩長同盟」)が放映された日、安倍総理が自民党総裁選への出馬を表明したことです。

しかもメディアの取材に答えるかたちで、鹿児島県の桜島を背景にして…。

出馬するのは解りきっていたことですが…

なぜ、その日だったのでしょうか?

なぜ、桜島の前だったのでしょうか?

もしかすると、安倍総理にとっての「憲法改正」は、薩長による「倒幕」に匹敵する大業なのかもしれません。

ご承知のとおり、薩長同盟の最大の目的は「倒幕」でした。

そこから推測するに、NHKで『西郷どん』(「薩長同盟」)が放映される日に合わせ、長州(山口県)出身の自分が、桜島(薩摩)の前で表明することで「改憲=倒幕」の決意を政治的に訴えたかったのではないでしょうか。

きっと安部総理は「そんなことはない」と言うでしょうけど…

仮にもしそうだったとして、視聴率11%程度の番組ですから、どこまでその真意が国民に伝わったかは不明です。

因みに、歴史を自己に都合よく解釈し、自己を歴史上の人物になぞらえるのは、ほとんど自惚れで幼稚です。

政治の要諦は、国家と国民に迫っている現実の危機を、具体的にどのように回避するのかにあると思うのです。