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議会報告 川崎市政

懸念すべきは「緊縮財政による悪影響」2018/08/24    

地方銀行(以下、「地銀」)の貸出収益が低迷しているようです。

朝日新聞が全国の地銀を対象に行ったアンケートでは、回答した銀行の8割が金融緩和の悪影響を懸念し、収益の悪化から店舗や人員削減を検討する銀行もあるのだとか…

なお地銀の収益悪化について遠藤俊英(金融庁長官)氏は「日銀が出口を求めて金利を正常化すれば全てうまくいくとは思わない」とロイターのインタビューに応じたうえで、日銀の政策変更を待って経営判断を遅らせるのは望ましくなく、地銀は自ら生き残る道を摸索すべきだとの考えを示したようです。

なんとまぁ他人事な。

主流派経済学に洗脳された人たちは「金利が下がれば貸出しは増える」と頑なに言ってきましたが、現実にはそうなっていません。

しかしながらデフレ経済下においては当たり前の話です。

どんなに金利が安くなったところで、企業としては需要拡大が見込めなければ銀行からおカネを借りてまで投資などしません。

金利による調整政策は、いわば「紐」みたいなものです。

インフレ期に金利を引き上げると需要は減退されますが、デフレ期においてはどんなに金利を引き下げたところで必ずしも需要は喚起されません。

即ち、金利調整という「紐」では、引くことはできても押すことができないのです。

なにより地銀の貸出収益を圧迫している最大要因は、デフレ(総需要の不足)です。

そのデフレを放置しているのがアベノミクスです。

アベノミクス最大の失敗は、財政出動(需要創造=収支の赤字化)をしていないことにあります。

デフレ期においては、公的部門が赤字収支にならなければ総需要は拡大しません。

これはマクロ経済の鉄則です。

加えて、中央政府のみならず川崎市を含めたそれぞれの地方行政もまた収支の黒字化に努めています。(地方財政法など各種の法律や制度が「必ず黒字にしろ!」となっているからやむを得ないのですが…)

こうした地方行政の緊縮財政もまた地域経済疲弊の要因かと思われます。

民間部門のおカネが不足するデフレ経済下において、行政が黒字化することで民間部門からおカネを吸い上げてしまっているのですから益々デフレ化(おカネ不足)するのも当然です。

地銀にしてみれば、企業はおカネを借りてくれない。

また国債や地方債を購入して長期資金を運用するも、なにせ超低金利です。

それに国も地方も緊縮財政によって公債発行を抑制しているため、それがまた余計に低金利圧力になっています。

即ち、地銀の貸出収益の悪化は、地銀の所為(せい)だけではないはずです。

なのに「(地銀は)生き残りの道を自ら模索しろ!」とは、少し無責任な話ではないでしょうか。

ただ地銀も地銀です。

懸念すべきは「金融緩和の悪影響」ではなく「緊縮財政による悪影響」です。