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議会報告 川崎市政

発展途上国モデルと川崎市「収支フレーム」2018/08/21    

川崎市財政局は、予め毎年の歳出や歳入の枠を決めておく、いわゆる「収支フレーム」を策定し、これを指針に財政を運営しています。

本来、財政というものは、そのときの国民経済(川崎市の場合は市民経済)の状況に応じてフレキシブル(時には赤字が必要な局面もある)に運用されるべきものでありますが、現今の経済学や財政学がデフレ経済を想定していないこと、あるいはマクロ経済の視点に欠けていることから、国であれ地方行政であれ財政は「常に黒字化しなければならない」という不文律によって縛られています。

ゆえに「収支フレーム」という固定化された運用指針が策定されるに至っているわけです。

さて、「収支フレーム」を策定するにあたって財政当局は、川崎市の将来人口推計や国の 「中長期の経済財政に関する試算」等を基礎データにしています。

ところが、国の「中長期の経済財政に関する試算」の根拠となっているのが、IMFの発展途上国モデルです。

現在の日本のように供給過多に悩むほどの先進国においては、経済は基本的に有効需要、即ち需要サイドで動きます。

一方、供給サイドで動くというのは農業国や開発途上国です。

であるにも関わらず、誠に恐ろしいことに、我が国は経済の成長予測を算定するにあたり、このIMFの発展途上国モデルを下敷きにしているのです。

日本はいつから発展途上国になったのでしょうか。

発展途上国は、日本のような先進国とは異なって公共投資や設備投資が不十分で資本蓄積もありません。

そうした状況下では、たとえ財政出動により需要拡大を試みても、供給能力の不足から需要を満たすことができない。

また、多くの産業が労働集約的であることから、すぐに人手不足に陥ってインフレ率が上昇してしまう。

なので、発展途上国における公共事業の乗数効果は先進国よりも低くなってしまうわけです。

もちろん、日本のような先進国における公共事業の乗数効果は、発展途上国に比べて遥かに高い。

因みに、我が国のマクロ経済モデルを発展途上国型に変更したのは、あの竹中平蔵氏です。

竹中氏が国務大臣時代の、たしか2003年あたりです。

なんでそんなことをしたのかといえば、むろん政府に財政出動させたくないからです。

いわゆる緊縮財政論です。

彼ら緊縮財政派たちの理屈は次のとおりです。
政府が財政出動すると日本経済がデフレから脱却してしまう。
➡日本経済がデフレから脱却してしまうと、せっかく抑制されていた人件費が上昇してしまう。
➡人件費が上昇してしまうと、株主や経営者たちの利益が減ってしまう。
➡せっかく派遣法を改正して、いつでも首を切れる低賃金労働者(いわば奴隷労働)を増やしたのに…

このように、マクロ経済モデルを発展途上国型に変更してでも、彼らは財政出動を阻止します。

川崎市など地方自治体もまた、そうした発展途上国型のマクロ経済モデルを前提にして予算(収支フレーム)を組んでいますので、市民経済(国民経済)が思うように成長するはずがありません。

このように、国や地方が抱えている経済財政問題は極めて根深く深刻なものなのです。

よって、これらの事実を一人でも多くの国民に知って頂くことが必要です。

ぜひ、当ブログ・エントリーを拡散して頂けましたら幸甚に存じます。