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議会報告 政治・経済

逆らい難い「空気」2018/08/18    

思えばこの8月で、あの“郵政解散”から13年目を迎えます。

2005年8月8日の夜、衆議院を解散し記者会見に臨んだ小泉総理(当時)の姿が印象的でした。

当時、小泉総理は郵政民営化のメリットとして、次の3つを挙げていました。
……
1.全国津々浦々の郵便局が便利になること
2.約350兆円の郵貯・簡保資金が「官」から「民」に流れて経済が活性化すること
3.約25万人の郵便局員(国家公務員)を削減し「小さな政府」が実現できること

しかしながら、これら郵政民営化のメリットとされたことは悉くフェイクで、日本国民は大いに裏切られる結果となりました。

津々浦々の郵便局は便利になったというより、たんにアフラックの「がん保険販売所」に変わり果て、郵便貯金はそれ以前から既に財政投融資から切り離され自主運用されていました。

そもそも郵政で働く職員に税金は投入されておらず、その給与は郵政事業の収益によって賄われていましたし、もともと日本はOECD加盟国のなかで最も公務員の少ない国です。

上のグラフの数字には、地方公務員や公的機関への再就職も含まれています。

それに「小さな政府」と言いますが、下のグラフのとおり、政府支出対GDP比を国際比較してみますと、日本は低い部類に属しています。

ご覧のとおり、我が国の政府支出対GDP比は、あのサッチャー改革で小さくなった英国政府のそれよりも小さい。

因みに橋本政権以降、我が国はデフレ経済によって唯一、名目GDPが成長していない国です。

もしもデフレが克服され、分母となる名目GDPが拡大していれば、日本の政府支出対GDP比はもっと低い数値になっていたことでしょう。

郵政改革云々のまえに、とっくの昔から日本は「小さな政府」だったのです。

しかしながら、いったん作られた「空気」というものは実に恐ろしいものです。

あのときはマスコミも世論も「郵政民営化」一色で、どんなに事実関係を訴えたところで「抵抗勢力」のレッテルを貼られるだけで、一切の政治的ブレーキは効きませんでした。

いまなお、いわゆる「国の借金問題」をはじめ、様々なフェイクが世の空気を醸成しています。

そのフェイクを前提に、郵政民営化の延長として「農協改革」「発送電分離」「種子法廃止」「水道事業の民営化」「外国人労働者の受入政策」などの構造改革が着々と進められています。

こういう時代であるからこそ、正しい情報に基づく思考と行動がとれるよう、一層の努力と研鑽を積んでいかねばならないと自戒します。