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議会報告 政治・経済

国土強靭化を阻む輩2018/08/13    

とりわけこの夏、列島は猛暑と豪雨の脅威に曝されています。

猛暑が続いたかと思えば、局地的な豪雨…

豪雨を凌いだかと思えば、再び殺人的な猛暑…というように。

昨日も岐阜県に、記録的な「短時間大雨情報」が出ていました。

各務原市付近では、午後4時ごろまでの1時間に約110ミリの大雨が降ったようです。

1時間に約110ミリといえば、災害の発生につながりかねない猛烈な雨です。

幸いにして災害には至らなかったようで一安心です。

さて、この猛暑と豪雨は、今年だけの特殊現象とは思えません。

素人感覚ながらも、日本の気象環境が未知の段階に突入しているような気がします。

自然災害そのものを抑止することは不可能ですが、被害を最小限に食い止める手立てはあります。

まずは何と言っても、インフラの強靭化(レジリエンス)です。

レジリエンスは「固く頑丈にする」というより、「しなやかな弾力性をもたせる」というニュアンスです。

どんなに力づくで捻じ曲げてもポキッと折れることなく、しやなかに元に戻る竹の枝みたいなイメージです。

おそらく多くの日本国民に知られていませんが、我が国には「国土強靭化基本法」という立派な法律が整備されています。

そしてこの法律に基づいて、災害対策のため「国土強靭化基本計画」が策定されています。

ところが残念にも、この計画には「具体的な強靭化目標」が明記されていません。

理由はご存じのとおり、プライマリーバランス目標というバカげた頸木です。

プライマリーバランス目標とは、即ち「その年の歳出は、その年の税収の範囲内に収めなければならない」というドグマです。

簡単にいえば、皆さんが住宅を建てるとき、「住宅ローンを組んではならない。収入の一部を積立てて、おカネが貯まったら住宅を建てよ!」という話です。

これでは住宅を建てるときには、もう人生の晩年です。

下手したら生きていない可能性もあります。

そうした事にならないように、起債(住宅ローン)という借金制度があるわけです。

よって、借金は悪ではありません。

個人や家計の場合、借金は必ず返済しなければなりませんが、通貨発行権をもつ国家は、必ずしもそうではありません。

国債は常に(ほぼ永久に)借り換えが可能ですし、そもそも政府が発行した債券(国債)を中央銀行(日本銀行)が買い取ったらチャラです。

つまり、徴収した税金できっちり返済する必要などありません。

信じられないかもしれませんが、真実です。

このように言うと、必ず「中央銀行が国債を買い取っていると、ハイパーインフレになるぅ~」と、得意げに言う人たちがいます。

ハイパーインフレは、とある経済学者が、第一次世界大戦後に中東欧で発生した歴史的なインフレを分析した論文の中で初めて使った言葉です。

その論文でのハイパーインフレの定義は、「月間50%以上のインフレ」及び「年間13,000%以上のインフレ」です。

大東亜戦争により国内の供給能力が破壊されてしまった我が国でも、戦後まもなくインフレが横行しました。

とはいえ、ピークだった昭和21年でも年率でわずか500%ほどのインフレでした。

戦後日本の供給能力と、現在の日本のそれを比較してみよ。

今の日本で、どのようにしたらハイパーインフレになるというのでしょうか。

下のグラフのとおり、現在の日本のインフレ率は1%にすら達していないのですから。(ハイパーインフレは13,000%/年)

狡いことに「ハイパーインフレになるぅ~」を騒ぐ人たちは、ハイパーインフレに至る波及経路を明らかにしてくれません。

それができないのなら、ハイパーインフレの脅威を引き合いに出して日本の財政問題を論じるのは止めてもらいたい。

この種の愚劣な財政破綻論が、プライマリーバランス目標をという頸木を生み出し、我が国の国土強靭化を妨げています。