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議会報告 川崎市政

「水道事業民営化」再考(後編)2018/08/12    

昨日のエントリーの続き(後編)です。

水道法改正案(水道事業民営化)の、もう一つの肝は水道事業の「広域化」です。

「広域化」とは、要するに複数の事業体の合併です。

例えばA市とB市のC市の水道事業を合併して一つの事業体にしてしまうわけです。

一見、事業体コストの効率化に見えます。

しかしながら、複数の事業体が合併されてしまうと、一つの事業体(水道事業)が担当しなければならないエリアはそれまで以上に拡大します。

一つの組織(事業体)で管轄する範囲が広がりますので、サービス水準の低下は免れませんし、何よりもこのことは水道管の付け替え更新を遅らせることになる一因になりましょう。

そういえば、ひところ騒がれていた「大阪都構想」のときも、おかしな論理がまかり通っていました。

あのとき「大阪都構想」を目論む人たちは「二重行政のムダをなくす。豊かな大阪をつくる」というキャッチフレーズを掲げていました。

ところが、二重行政をなくすことと、大阪が豊かになることとの間の科学的な根拠がありませんでした。

二重行政をなくすと、むしろ行政としての支出の合計が減りますので大阪のGDPは減ってしまいます。

GDPが減ってしまっては、絶対に豊かになれません。

というか、一人当たりのGDPが増えることを「豊かになる」と言います。

これには国民経済(GDP)の理解が必要で、行政の支出も立派な需要項目なのです。

しかも、税収はGDPに比例しますので、GDPが減少すると税収は減ってしまいます。

新自由主義に毒された人達には、そのことがどうしても理解できなようです。

要するに「二重行政が大阪市民を苦しめている」というのは、いわば都市伝説みたいなもので根拠なき論理だったわけです。

因みに、前述のキャッチフレーズですが、もしも彼らの主張に絶対の自信があるのなら「二重行政をなくすことで、大阪を豊かにする」と言いきればいいのに、それができない。

自信がないためなのか、「二重行政をなくす。豊かな大阪をつくる」として、二重行政をなくすことと、経済的に豊かにすることを別の問題として位置付けています。

水道事業を「広域化」「民営化」しようとする背景には、このような「二重行政は無駄」みたいな緊縮財政至上主義、及び新自由主義思想があるのだと思います。

政府や自治体がやるべきことは、水道事業の「民営化」でも「広域化」でもなく、予算をつけて老朽化した水道管を取り換えることです。

ところが、根っからの「緊縮財政思想」から、それをやらない。

「緊縮財政思想」もまた、新自由主義というドグマに基づく思想です。

詰まるところ、公的サービスの民営化理論のベースは、ことごとく新自由主義なのです。