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議会報告 川崎市政

「水道事業民営化」再考(前編)2018/08/11    

政府は、水道事業を民営化しようとしてます。

そのための法案(水道法改正案)が先の国会(第196回通常国会)に提出されていましたが、7月22日の国会閉会にともない継続審議扱いになっています。

とはいえ、やがて開かれる秋の臨時国会で成立させようとしています。

意外と知られていませんが、外国では水道事業の民営化に失敗し、税金を使って公営に戻しています。

なのに我が国は、愚かにも周回遅れでこれから民営化しようとしているわけです。

ご承知のとおり、水道は利用者にとって選択肢のない公的サービスです。

このような独占的な事業を民営化してしまったら、人件費カットやメンテナンス費用カットなどの「コストカット」により品質やサービス水準が大幅に低下するのも当然です。

道路公団が民営化されたことでメンテナンス費用がカットされ、中央高速の笹子トンネルは崩落し、それで何人が犠牲になったのか。

また、水道事業を民営化した場合、品質やサービス水準が低下するのみならず、必ず水道料金が上がります。

外国での失敗事例が、それを証明しています。

なお、水道事業を民営化しようとしている人たちは、「民営化によって老朽化している水道施設の更新を進める」と、実に不思議なことを言っています。

そんなバカな…

いま議論されている水道法改正は、「コンセッション方式」(公営施設等運営権制度)による民営化です。

コンセッション方式とは、水道管などの設備、あるいは物理的インフラを政府や地方自治体が保有し続け、その運用権を民間事業者に委託するというものです。

それで、どうして老朽化した水道管が更新されていくのでしょうか。

むしろ話は逆で、請け負った民間事業者は更新を遅らせることでメンテナンス費用を抑え、利益を確保しようとするのではないでしょうか。

民間企業の目的は、あくまでも「利益の追及」なのですから事業者としてはそれが正義です。

くどいようですが、“笹子トンネル”を思い出してほしい。

「道路」で繁栄した、あのローマ帝国が、もしも道路を民営で整備していたらどうなっていたでしょうか。

まちがいなく、あのような大帝国は成立していなかったと思います。

政府や自治体の役割と、企業(民間事業者)の役割はそれぞれ異なります。

企業が「利益最大化組織」であるのに対し、政府や自治体は「安全保障NPO」なのです。

そこに「利益追求」の概念はありません。

また安全保障は、なにも国防だけではありません。

防災、治安、医療、介護、教育、食料、水、エネルギー、物流、これらも純然たる「安全保障」です。

例えば、もしも救急車が採算性を理由に有料化されたら、どうなるでしょうか。

「救急」というユニバーサル・サービス(国民であれば誰もが等しく受益できる公共的サービスは成立しません。

安全で安価で良質な「水」の供給、これもまた安全保障です。

平時のみならず、災害や疫病蔓延などの有事の際においても、良質な「水」を供給してくれる存在が必要です。

安全保障NPOたる行政の職員(公務員)には、災害などの有事においても登庁(もしくは現場に直行)する義務が課せられています。

それは、例え家族を置き去りにしてでも果たされなければならない義務です。

当然のことながら、コンセッション方式で委託された民間事業者の職員にはそのような義務はありません。

明日につづく…