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議会報告 政治・経済

年々、貧しくなっていく日本国民2018/08/10    

実質消費支出とは、1つの世帯(家計)が、食費や住居費などのいわゆる「生活費」に1ヶ月間でどれだけ支出(消費)したのかを示す統計指標です。

「実質」というのは、要するに「物価変動分の影響を除いた数値」と解釈して頂ければと思います。

物価変動分の影響が含まれてしまうと、どうしても実態が把握できないので、こうした統計では必ず物価変動分の影響を取り除いて実質値を割り出します。

例えば、前月に比べて消費した量が減っているのに、何かしらの理由で物価だけが上昇してしまうと、消費支出の額は増えて統計されてしまいます。

前月は100個のリンゴを10万円で購入できていたのに、今月は物価上昇によって95個のリンゴを購入するのに11万円を支出することになった、ということもあり得るわけです。

この場合、金額でみると消費支出は増えて統計されることになりますが、物価変動分の影響を除いた実質値ではリンゴ5個分のマイナスです。

即ち、実質消費支出は5%のマイナスとなります。

つまり、実質消費支出」がマイナスになったということは「そのぶん貧しくなった」ということです。

さて、8月7日の総務省発表によれば、6月の消費支出(二人以上の世帯)は  1世帯当たり  267,641円で、実質値は前年同月比1.2%の減少でした。

『6月の実質消費支出、1.2%減 基調判断は据え置き、家計調査
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL07H5W_X00C18A8000000/

総務省が7日発表した6月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり26万7641円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.2%減少した(変動調整値)。減少は5カ月連続。(後略)』

記事が言うように、確かに5カ月連続のマイナスなのですが、2014年4月の消費税増税(5%→8%)以降は、下のグラフのとおり、ほとんどすべての月がマイナスです。

消費税増税以降、プラスに転じた月が7回ありますが、そのうちの1回(2016年2月)は閏月効果によるプラス化なので、実質的には6回です。

たったの6回…

要するに、前年同月比のマイナスが続いているのですから、年々、日本国民は貧しくなっているわけです。

消費税増税(5%→8%)による消費支出の減退は明らかです。

それなのに、来年10月に更なる消費税増税(8%→10%)が行われようとしているのですから、ほとんど正気の沙汰ではありません。

もう一つ見逃してはならないことは、企業業績はそこそこ好調なのに、国民が貧しくなっている…という点です。

これこそが、グローバリズム(株主資本主義)経済の罠です。

※グローバリズム = 国境を越えたカネ・モノ・ヒトの移動の自由の最大化

高度成長期のころの日本経済は、国民の利益と企業の利益がほぼ一致していたのですが、グローバル経済では国民と企業の利益は必ずしも一致しません。

「カネ、モノ、ヒトが自由に国境を超える時代だ…」と言われても、日本で暮らし、日本で勤め、日本で所得を稼ぐ国民がほとんどです。

多くの日本国民が、国境を越えて自由に展開できるグローバル企業にようにはいかないのです。

ときに企業は国境を越えて、工場などの生産施設を外国へ移すこともできましょう。(国境を越えたカネの移動

ときに企業は国境を越えて、内需を捨て外需に販路を求めることもできましょう。(国境を越えたモノの移動

ときに企業は国境を越えて、外国人労働者などの低賃金労働者を国内工場に呼び込むこともできましょう。(国境を越えたヒトの移動

しかも稼いだ利益の配分率が労働者よりも株主や経営者、あるいは内部留保に偏っているのですから、ふつうに国内で働く日本国民の賃金が減っていくのも当たり前の話です。

グローバル投資家やグローバル企業は、法人税率の引き下げを要求しています。

法人税率が引き下げられれば、株主への配当金や自社株買いの原資となる「純利益」が増えるからです。

そして財務省は、法人税減税の穴埋め財源として消費税を増税しようとしているわけです。

ご承知のとおり、逆累進性の強い消費税は、中・低所得層の日本国民を苦しめます。

一方、グローバル企業や大企業にとっては、消費税負担などさしたるものではありません。

とりわけ輸出企業には「還付金」制度がありますので消費税負担はゼロです。

消費税という税制は、まさにグローバルリズムの味方であり、国民経済の敵なのです。