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議会報告 政治・経済

ローマ皇帝を見習え2018/08/09    

いわゆる「先進国クラブ」と言われているOECD(経済協力開発機構)は、加盟各国の自殺率を公表しています。

去る6月23日に更新された統計によると次のグラフのとおりです。

自殺率とは、各国の人口10万人当たりの年齢調整自殺者数(単位は人/10万人)のことです。

自殺者は一般的に「自傷を死因とする死亡者」のことを指しますが、WHO(世界保健機関)の自殺の定義では「致命的な結果になることを十分理解し且つ予期している者が意図的に遂行する行為」となっており、各国ごとに死因の特定、あるいは証明方法が異なりますので、各国間の単純比較には注意が必要であることを補足しておきます。

上のグラフをご覧のとおり、韓国は相変わらずの断トツです。

とはいえ、我が国も他人事ではありません。

日本の自殺者は年々減っているものの依然としてOECD上位にあり、国際的にも引き続き突出して高い状況にあります。

自殺率は、いわゆる「欧米先進国」で低く、日本やロシアや韓国で高いという現実から、経済的な豊かさや社会の寛容さなど、経済的、心理的な余裕の有無が大きく関係していると言われています。

とりわけ日本は20年にもおよぶデフレ経済によって国民経済は散々に貧困化してきました。

デフレとは、まさに貧困化のことです。

因みに、韓国の自殺者が突出して多いのは、1997年にIMFの管理下となって以来、韓国という国そのものがグローバリズム経済の奴隷となってしまったからでしょう。

さて、我が国においては、自殺する人で最も多いのが「無職者」で全体の半分以上を占めています。

次いで多いのが「勤めている人」で全体の約3割です。

一方、自殺理由として最も多いのは健康問題で、次に経済問題、家庭問題と続きます。

因みに、健康問題と経済問題は連関している可能性もありますので、「自殺理由で最も多いのは経済問題」と言っても過言ではないものと思われます。

ここで改めて国民経済(GDP)の大切さを痛感します。

とくに生産年齢人口(15~64歳)においては、資産(ストック)よりも所得(フロー)が大事です。

もちろん資産も大事なのですが、まずは安定的な収入源として所得が生活の基盤です。

所得とは、誰かが生産したモノやサービスを、別の誰かが消費・投資のかたちで購入してくれることで創出されます。

ここで言うところのモノやサービスには、株、為替、債券、土地、その他金融商品は入りません。

これら(株、為替、債券、土地、金融商品)は、労働の対価(ヒトの働きによって創出された価値)ではないからです。

古代ローマでは、皇帝の最大の仕事は、ローマ市民に「ショク(職=食)」を与えることでした。

「職」が「所得」を生み、その「所得」によってローマ市民は「食(=衣食住)」を確保することができたわけです。

この「所得」の総計こそがGDP(国民経済)です。

そこで、GDPを国際的に比較してみますと、下のグラフのとおり、1996年以降のデフレ経済によって、唯一わが国だけが全く成長していません。

マクロ経済的には、この20年間、我が国の為政者たちは日本国民にショク(職=食)を与えてこなかったも同然です。

少しは、ローマ皇帝を見習え!