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議会報告 政治・経済

国力を毀損する「事実誤認」2018/08/05    

何日か前のブログでも書きましたが、事実に基づいて思考し発言している人は案外と少ない。

よく言われている“事実誤認”は次の5つ。
1.人口が減ると経済は絶対に成長しない…
2.日本は世界最大の借金国…
3.国家の財源には限りがある…
4.高齢化による医療費の拡大は国家財政を破綻させる…
5.資源輸入国の日本は輸出で外貨を獲得しなければならない…

まず、1「人口が減ると経済は絶対に成長しない」について…

人口が減少しているに国は世界に日本を含め20カ国ありますが、経済成長していないのは日本だけ。

日本以外の19カ国は立派に経済成長しています。

これは印象や価値観の違いではなく、客観的数字に基づく統計的な事実です。

次いで、2「日本は世界最大の借金国」について…

世界最大の借金国(純負債国)はアメリカであって、むしろ日本は世界最大のおカネ持ち国家(純債権国)です。

下のグラフのとおり、我が国の純債権額3,108(10億US$)は世界第1位です。

実質賃金が低迷するなど、日本国民が貧困化しているのは、たんにデフレ経済でGDP(国民経済)が成長していないためです。

デフレを克服し、安定的にGDPが成長していけば問題は改善されます。

ところが、デフレを脱却するために必要な政府負債の拡大を「日本は世界最大の借金国だぁ~」という事実誤認が阻んでいます。

実に皮肉なものです。

次いで、3「国家の財源には限りがある」について…

その国の経済状態には、インフレ期とデフレ期があります。

確かにインフレ期においては国家の通貨発行と財政支出は制約されますが、デフレ期においては制約を受けません。

とりわけ、現在の日本国のように、デフレで苦しむほどの供給能力の蓄積に溢れている国では財政的な制約などありません。

現に、日本銀行が金融緩和(国債購入)によって大量の通貨を発行していますが、我が国のインフレ率は低迷し続けています。

というか、黒田日銀による量的緩和によって400兆円ちかい日本円が既に発行されているのにインフレ率には何ら影響していません。

2018年6月現在、コアコアCPI(酒類以外の食料及びエネルギーを除く総合消費者物価指数)はゼロ%です。

よく言われているハイパーインフレーションは、インフレ率が1年で13000%以上です。

「これ以上、政府が借金するとハイパーインフレーションになるぅ~」と言っている人を時おりお見掛けしますが、今の日本のインフレ率は「0%」ですよ!

次いで、4「高齢化による医療費の拡大は国家財政を破綻させる」について…

デフレとうい需要不足の日本において、経済を下支えしてきたのは医療需要です。

ある種、日本経済は高齢化に伴う医療費の増大に救われたのです。

今後さらに拡大していく医療需要に対して、医療分野におけるヒト・モノ・技術への投資を拡大し、供給力を引き上げていくことができれば、必ず経済は成長していきます。

医療費も立派なGDPの需要項目です。

最後に5「資源輸入国の日本は輸出で外貨を獲得しなければならない」について…

これは、金属主義という誤った貨幣観に基づいた発想です。

べつに輸出によって外貨を拡大せずとも、国内に絶対的な供給能力さえあれば、ふつうに円を発行してドルに両替すればいい。

むろん開発途上国のように供給能力に乏しい国は、輸出を拡大するなどして外貨を獲得しなければならないでしょう。

即ち、国内の供給能力(ヒト・モノ・技術)こそが国力の源泉です。

ところが我が国では、長引くデフレによって虎の子たる「供給能力」が毀損され続けています。