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議会報告 政治・経済

日に日に迫る「強制的な出口」2018/08/02    

日銀は7月31日の金融政策決定会合で「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決めました。

将来にわたって低金利を維持すると表明する「フォワードガイダンス(将来の指針)」を導入し、引き続き物価を前年比2%の上昇とする目標の達成に向けて金融緩和を続けるとのことです。

なお、黒田総裁は会合後の記者会見で、金融緩和終了にむけた「出口戦略」の可能性を改めて強く否定されました。

当たり前といえば当たり前ですが、一向にデフレ脱却の兆しが見えず、目標とする物価上昇率(2%)に遠く及んでいない今、出口戦略どころの話ではありません。

今回の金融政策決定会合は、概ね現状維持だったと思われます。

しかしながら、不思議なことに日本経済新聞をはじめ、いくつかの経済メディアが、まるで日銀の政策が大きく修正されたかのように報じています。

『日銀、なぜ金融政策を修正? 3つのポイント
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3366298001082018EE8000/

日銀は7月31日の金融政策決定会合で、5年超続く大規模な金融緩和のさらなる長期化に備え、副作用に配慮した政策の枠組みにすることを決めました。政策修正にはどういった意図があるのでしょうか。(後略)』

確かに今回の会合では、ETFの購入方法見直しや、フォワードガイダンスなどの対策が盛り込まれていますが、これらは引き続き現在の低い金利水準を当分の間続けます」と約束するための措置にすぎません。

即ち、これまで通り金融緩和を継続したいがゆえに黒田日銀は細かなところで工夫している、と解釈すべきだと思います。

日銀が細かなところで工夫しなければならないのは、政府によるバカげた緊縮財政で国債発行が抑制されているため、既に市場の国債が枯渇しているからです。

金融緩和(国債購入)しようにも、市場に国債がないのですから日銀は国債を買い控えざるを得ません。

債券市場で日銀に国債を売ってくれるのは、主として民間銀行です。

グラフをご覧のとおり、民間銀行等の国債保有比率はわずか17.1%しかりません。

民間銀行も長期資金を何らかの安全資産で運用しなければなりませんので、一定規模の国債保有比率を維持しなければなりません。

だから日銀に売ってくれる国債が枯渇しているわけです。

よって、日銀はこれまでの国債購入ペースを維持できない。

できないがために細かな工夫をしているだけで、べつに緩和政策(金融政策)を転換したわけではありません。

なのに、まるで「金融政策が修正された」かのように報道する日本経済新聞の姿勢には違和感を覚えます。

株式市場は変動がないと儲からないため、市場に影響を与えるような何らかの「変化材料」を彼らは常に欲しています。

だから少しでも「金融政策が修正された(変わった)」と報道したいのでしょうか。

問題は、日銀がどんなに細かな工夫を施したところで、日に日に市場の国債は枯渇しています。

よって、出口戦略どころか、やがては「強制的な出口」に追いやられることになります。

政府による緊縮財政は、国民経済のみならず、いよいよ日銀を追い詰めています。

政府は、とっとと国債を発行せよ。

デフレで苦しむに日本に足りないのは「貯蓄」ではく「負債」だ。