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議会報告 政治・経済

亡国の「歴史的な政策転換」2018/07/30    

去る7月24日、菅官房長官は閣議後の記者会見で次にように述べられました。

一定の専門性・技能を有する外国人材の受入れを拡大するため、新たな在留資格を創設することになったことを踏まえ、閣議後に、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を開催し、日本語教育の充実等の受入れ環境の整備などについて、政府一体となって総合的な検討を行っていくことになりました」と。

現段階においては、「一定の専門性・技能を有する外国人…」とされていますが、やがてはサービス業など専門的技能を必要としない一般的な職業へと、広く門戸が開かれていくことになるのでしょう。

日本経済新聞は早速、次のとおり嬉しそうに記事しています。

『人手不足が迫る政策転換 問われる覚悟
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33257160R20C18A7SHA000/

政府は24日、外国人労働者の受け入れ拡大を検討する関係閣僚会議を発足させた。単純労働を含めて幅広く外国人材に国を開く歴史的な政策転換だ。2019年4月の実施まで半年余り。日本の経済、社会を大きく変える挑戦が始まる。(後略)』

政府に先駆けて単純労働を含めて幅広く…」と、既に大いに期待しています。

外国人労働者の受け入れを特に熱望しているのは、経団連などの経済界及びグローバル投資家たちです。

外国人労働者という「低賃金労働力」を確保することで、更なる人件費抑制をはかって税引き前利益の拡大を図ることができます。

そして、政府に消費税率を引き上げさせるとともに法人税率を引き下げさせて、税引き後利益(純利益)をも拡大する。(投資家への配当金は純利益から支払われます)

彼らの目論見は、その一点にあります。

投資家や経営陣はそれで充分に幸せなのかもしれませんが、これまで以上に労働コストが抑制されるため、普通に所得で暮らしている日本国民労働者にとっては最悪です。

1980年代からはじめられた新自由主義(ネオリベラリズム)に基づくいわゆる「構造改革」によって、ただでさえ我が国の所定内給与(増加率)は下がり続けています。

※ 所定内給与 定期給与のうち、残業などの時間外労働に対する給与(所定外給与)を除いた分の金額のこと。

グラフをご覧のとおり、1980年代から一気に下がりました。

このことによって、我が国の高度経済成長を支えてきた中間所得層が破壊されてしまいました。

中間所得層が破壊されてしまうと、消費需要は継続的に伸びていきません。

消費需要が伸びないために、企業の投資需要も増えない。

それがデフレ圧力になっているうえに、さらに小さな政府論(緊縮財政・規制緩和)が世の幅を利かせているため、財政出動(需要創造)というまともなデフレ対策が採用されず、むしろデフレ化が進む。

我が国は、いつまでこのバカげたスパイラルを繰り返すのでしょうか。

加えて、外国人労働者の受け入れ拡大によって、益々もって格差は拡大し、中間所得層が破壊されていく。

外国人労働者の受け入れによって人手不足を解消するのは、政策的に間違っており、まさに亡国への道です。

人手不足の解消は、官民を合わせた各種投資(公共投資、設備投資、技術開発投資)、即ち資本装備率の向上及び労働生産性の向上によって克服してほしい。

外国人労働者については、いったん受け入れを拡大してしまうと、のちのち政策的な誤りに気づいたところで取り戻しがつきません。

単純労働を含めて幅広く外国人材に国を開くのは、日本経済新聞の言うとおり、まったく別の意味で「歴史的な政策転換」だ。