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議会報告 川崎市政

「地方財政法」及び「地方財政健全化法」の改正を2018/07/20    

岐阜県の多治見市は、「日本一暑い町」として知られています。

その多治見市では市立小中学校のエアコン設置率は,まさかの「0%」。

理由は、例によって「財政問題」らしい。

とはいえ「おカネがないから…」では理由として格好がつかないとでも思ったのか、設置しないもう一つの言い訳が、「冷房の効いた涼しい教室から、いきなり猛暑でうなる校庭にでると子供たちの体に悪いから…」だそうです。

因みに、川崎市の市立学校のエアコン設置率は100%(普通教室)です。

多治見市の見解によれば、川崎市の学校に通う子供たちの体にはかなりの悪影響がでている!?

要するに、多治見市みたいに「苦しい言い訳」をしていると、いざ予算がついて設置できることになったとき、子供の体に悪いことを承知で設置するのか、などと要らぬ誹りを受けることになります。

話しは変わって、徳島市の夏の祭典、阿波踊りについてです。

徳島市の遠藤彰良市長は、阿波踊りの「総踊り」(阿波おどり振興協会の合同連が南内町演舞場で毎年披露している)を今夏は中止すると定例会見で明言されました。

理由は「運営費用が赤字だから…」だそうです。

これを報道していたテレビ番組のコメンテーターは「赤字なら仕方がない」と、いつもどおりコメントしていましたが、相も変わらず“家計簿脳”です。

確かに家計簿的には「赤字」は悪でしょう。

しかしながら、国民経済(地域経済)的には赤字は決して悪じゃない。

国民経済には揺るぎない絶対原則があります。

それは、「誰かの赤字は、必ず誰かの黒字である!」という原則です。

阿波踊りの運営費は赤字でも、その反対側で必ず黒字になっている人たちがいます。

この世の中に、赤字だけを拡大できる人も、黒字だけを拡大できる人もいません。

阿波踊りで黒字になった人たちだって、新たなモノやサービスを購入してGDPを創出しますし、税金も払います。

要するに「おカネは天下の回りもの」なのです。

下のグラフをご覧ください。

このグラフは各経済主体の資金過不足状態を示しています。

グラフの見方は次のとおりです。

その経済主体が、獲得した収入以上の支出をしていれば資金不足(負債増=資産減)、獲得した収入以下の支出しかしていなければ資金過剰(負債減=資産増)です。

ご覧のとおり、誰かの資金過剰(黒字)は、誰かの資金不足(赤字)によって賄われていることが解ります。

すべての経済主体が資金過剰(黒字)になることは、物理的に不可能です。

例えば、経済主体の一つである「非金融法人」というのは、いわゆる一般企業のことです。

一般企業は、日本経済が1998年にデフレに突入して以降、資金過剰(負債減=資産増)になっていますが、その一方、一般政府(中央政府+地方政府)が資金不足(負債増=資産減)になっています。

本来、投資によって赤字を拡大すべき企業に代わり、通貨発行権を有する政府が赤字を拡大することで経済を下支えてきたわけです。

デフレ下で政府部門が赤字を減らしてしまうと、経済(GDP)が余計に縮小してしまうのはこのためです。

とはいえ、徳島市や川崎市のように通貨発行権を有しない地方公共団体は、そうはいきません。

なにせ地方財政法や地方財政健全化法などの法律によって、絶対に単年度で赤字を出してはならない、という国による制約を受けています。

つまり、もし1円でも単年度で赤字を出したら、「地方公共団体としての自治を認めませんよ」という制度になっています。

であるからこそ、多治見市はエアコン設置に後ろ向きになり、徳島市は阿波踊りを縮小することになり、岡山県では真備町の治水対策が為されなかったわけです。

よって私は次のような制度改正を提言します。

① 地方公共団体が行う投資費用(インフラ、福祉、教育等)についてはPB(プライマリーバランス)から除外する。

② デフレ期においては一定の範囲内において単年度での赤字を容認する。

…などを柱とした一連の法改正が必要だと考えます。

因みに、1998年以降、中央政府は資金不足(赤字)状態を続けていますが、だからといって「日本政府が破綻(デフォルト)するぅ~」という話にはなりません。

下のグラフのとおり、日本政府の国債発行額994.7兆円のうち、46.1%(458.6兆円)を既に日本銀行が保有しています。

この458.6兆円については、日本政府の負債残高から除外されます。

日本政府という親会社の借金を、日本銀行という日本政府の子会社が購入(保有)したことで相殺されることになりますので。

残りの負債残高は 536.1兆円になりますが、政府が保有する資産を含めると(日本政府の資産は 574.1兆円)政府の純債務対GDP比率は、なんとゼロ%以下です。

日本政府の破綻など、絶対にあり得ない。

我が国に存在しているのは「財政問題」ではなく、為政者たちの「おカネや経済に対する理解不足の問題」だと思います。