〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

緊縮財政による被害者!?2018/07/19    

西日本豪雨災害では、200名を超える方々の人命が奪われ、多くの方々が家族と住居と職場を失われました。

改めて、犠牲者の皆さまのご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災者の皆様にお見舞い申し上げます。

中でも岡山県倉敷市の真備町は、最も被害の大きかった地域でした。

倉敷市全体の死者数51人のほとんどを真備町の住民が占めています。

その真備町で、ロイターが住民や自治体、そして専門家等にインタビューを行い、それを基にした記事が掲載されていますのでご紹介します。

『焦点:岡山・真備町襲った洪水、現実となった住民の長年の懸念
https://jp.reuters.com/article/weather-japan-failures-insight-idJPKBN1K61KM

今から45年前、芥川勲氏(79)が真備町に引っ越して来た時、この町は子育てに最適な場所だと思った。倉敷市まで車で通勤できて、土地は手頃な価格だった。小田川から2キロほど離れた土地に家を建てた際、その前年に洪水があったことは聞いていたが、地元の議員や長老が水害の危険性について警告を始めるまで、それほど気にはしなかった。「前から言われていた。小田川の堤防は、決壊しますよっていうことは聞いていた」。芥川氏は自宅のリビングから泥を掃き出しながら語った。自宅は町の堤防が決壊した今月の豪雨で、浸水した。西日本を襲った豪雨は、洪水や崖崩れを引き起こし、200人以上が死亡、数十人が行方不明という36年ぶりの大災害となった。
(中略)
岡山県議会議長を勤める高橋戒隆氏は、河川工事が遅れた背景には、予算の縮小もあると指摘した。真備町で育った高橋氏は長年、洪水対策の重要性を訴えてきた。ロイターの取材に対し「自分が国を動かせなかったという無力感がある。住民の方々に対して申し訳ない。何とか間に合ったら、こんなことになっていなかったのに」と声を詰まらせた。(後略)』

既に報道されていますが、小田川の決壊の可能性については、かなり前から指摘が為されていたようです。

ところが例のごとく、財務省主導の緊縮財政主義によって「優先順位低し」と認定され、予算がつけられずに放置されてきたわけです。

岡山県議会の議長は「国を動かせなかった」と反省の弁を述べていますが、議長さんとしては岡山県議会として「国の予算を獲得することができなかった」と言いたいのでしょう。

しかしながら、いま私たちが抱えている切実な問題は、予算を「獲得できた、できなかった」という一般政治論的な話ではないと思います。

現在、国(中央政府)が行っている緊縮財政路線なるものが、「(防災への不作為による)人殺し政策」と言われても過言ではない現実を、岡山県議会に限らず、全国の地方議会が認識すべきです。

つまりは「緊縮財政論」及び、その理論的根拠となっている「日本財政破綻論」の嘘と矛盾と弊害とを科学的に理解したうえで、政府や国会議員に対し指摘すべきです。

因みに、「国を動かせなった」と議長さんは仰せですが、国を動かすのは一義的には国会議員の仕事です。

であれば、財務省の緊縮路線と闘ってくれる国会議員を支援して、国会に送り込まなければならない。

また、岡山県倉敷市といえば、たしか橋本龍太郎元総理の選挙区だったと思います。

橋本内閣といえば、あらぬ財政破綻論に基づき緊縮財政へと舵を切り、公共投資(防災投資)を削減し、日本中のインフラを老朽化させ、我が国をデフレ経済のどん底に貶めた内閣です。(晩年、橋下元総理はそれらのことを真に悔いておられたと仄聞しています)

岡山県議会の議長さんはそのことをご存じなのでしょうか?

あえて申し上げますが、今回の豪雨災害でなくなった方々の多くは、国による「緊縮財政」の被害者だと思います。

本当におカネがないのなら仕方ありませんが、そうではありません。

自国通貨建てで国債を発行でき、政府の子会社たる日本銀行が既に国債の半分近くを保有し、あまつさえデフレで苦しむほどの供給能力過剰状態にある我が国に、深刻な財政問題など存在するわけがない。

どうみても、今は財政規律を重視しなければならないような財政状態にはないはずです。

なのに、「財政を守るのか、それとも人命を守るのか?」という選択を迫られたとき、平然と「財政!」と応えるのが今の我が国政府の実状なのです。