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議会報告 川崎市政

世界が注目する日本の高齢化2018/07/18    

総人口に占める65歳以上人口の割合のことを「高齢化率」といいます。

下のグラフのとおり、先進諸国の高齢化率と我が国のそれとを比較してみますと、我が国は1980年代までは下位、90年代にはほぼ中位、2005年には最も高い水準となって今後も高水準を維持していくことが見込まれています。(内閣府)

問題は、高齢化の速度(増加率)です。

高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数を「倍加年数」といいます。

先進諸国の倍加年数を比較すると、次のようになります。

フランスが115年、スウェーデンが85年、米国が72年、比較的短い英国が46年、ドイツが40年です。

我が国は1970年に7%を超え、その24年後の1994年に14%に達しました。

即ち、日本の倍加年数は24年でした。

ところが、日本の倍加年数をはるかに上回っているのが、韓国、シンガポール、Chinaです。


韓国 18年
シンガポール 20年
China 23年
…これらの国々では今後、我が国を上回るスピードで高齢化が進むことが見込まれていいます。

とりわけ、長きにわたって一人っ子政策を行ってきたChinaでは、まともな社会保障システムなど存在していません。

ナショナリズムなき人民国家(国民国家ではない)には、社会保障システムは成立しがたい。

そもそも彼の国では統計だっていい加減なもので、その数値が本当かどうかすらわかりません。

推察するに、統計を上回る多くの“隠れ高齢者”がいるのではないかと思われます。

さて、我が国の都市部における医療・介護環境をみますと、むろんChinaよりも全然マシではあるものの、いつまで先進国づらできるかどうかわからない状況にあります。

例えば、首都圏の一角をなす川崎市では、地元に住みつつも、地元の医療圏にある療養病床に受け入れてもらうことができないなど、いわゆる「行き場なのない患者」が既に多数発生しています。

その医療圏の患者吸収力を「自己完結率」といいますが、川崎南部医療圏、川崎北部医療圏ともに、極めて低い水準となっています。

いま我が国が取り組まなければならないのは、各医療圏における「療養病床の自己完結率」の上昇です。

そのためには、①療養病床を増やすという直接法と、②在宅医療を推進することで入院を減らすこという間接法があります。

とはいえ、①は地価の高騰から新たに病床や病院を建てても採算が成り立つかどうかという病院側の問題があります。

「新規に療養病床を増やせないなら、稼働率の悪い一般病床を療養病床に転換すればいい」という意見もありますが、現実にはかなり難しい面があります。

なぜなら、療養病床は1病床当たりの専有面積を一般病床よりも15%くらい広げる必要があり、4床の一般病床の部屋を4床の療養病床の部屋に転換するには、壁を壊すなどして部屋そのものを広げなければならないなどの物理的対処が必要であり、やはり病院としてはそのコスト負担に尻込みします。

よって、①の直接法のみならず、②の間接法との両輪で対応するほかありません。

②の在宅医療を推進するためには、患者さんが急変したときにいつでも受け入れてくれる「在宅療養支援病院」の病床を増やし、安心して在宅医療をできるような環境を整えることが必要になります。

因みに現在、在宅療養支援病院の数は、横浜市が31施設であるのに対して、川崎市はわずか5施設しかありません。

早急なる整備が必要です。

むろん施設や制度の問題のみならず、自宅や病院、そして在宅医療を担う医療機関を結びつける優秀なコーディネート人材の育成も必要になります。

いかに高齢化率が増えようとも、いかに高齢化が加速しようとも、絶対に日本国民を療養難民にしてはならない。