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議会報告 政治・経済

求められる名目賃金の上昇2018/07/17    

労働生産性とは、一人の労働者がどれだけのモノやサービスを生産することができるかどうかを表すものです。

解りやすくいえば、一人当たりの実質GDPです。

なので基本的には、労働生産性が向上するということは一人当たりの所得が増えることを意味します。

一方、1単位のモノやサービスを生産するのに必要な人件費のことを、単位労働コストといいます。

我が国の単位労働コストの推移をみてみますと、下のグラフのとおりです。

とりわけ2000年以降、欧米諸国の単位労働コストは右肩上がりに上昇しているのに反して、日本のそれはほぼ一貫して低落を続けています。

単位労働コストは勤労者側からみれば労働の対価なのですが、経営側からみればコストになります。

ゆえに、単位労働コストは労働分配率と密接不可分の関係にあります。

労働分配率とは、企業の粗利に占める人件費の割合のことです。

労働分配率 = 人件費 ÷ 付加価値(粗利)

マクロ経済的にみますと、ときに労働生産性の向上は単位労働コストを引き下げ、労働分配率を低下させる圧力にもなります。

勤労者が真に豊かさを実感するためには、労働生産性の向上とともに単位労働コストをも引き上げていくことが必要です。

単位労働コストを上昇させるために必要なのが名目賃金の上昇です。

ですが、その肝心な名目賃金の推移をみますと下のグラフのごときです。

名目賃金が上昇するどころか下落を続けてきたのですから、単位労働コストの低落傾向は必然的であったと考えられます。

労働生産性は、主として資本装備率の動向によって決定されます。

資本装備率とは、労働者一人あたりに対し、機械や工場などの生産資産がどれだけ備えられているか示す指標です。

資本装備率 = 有形固定資産 ÷ 労働者数

そこで今度は、我が国の資本装備率の推移をみてみます。

ご覧のとおり、1990年代後半以降、着実に落ち込んでいます。

即ち、資本整備率を低下させ、その上で単位労働コストを引き下げてきたわけですから、この20年間、どれだけ日本の企業が勤労者を痛めつけてきたのかが解ります。

勤労者の生活を向上させるためには、何よりも生産性の向上を上回る名目賃金の上昇が必要です。

詰まるところ、いま政府が為すべきことは、名目賃金を上昇させるための政策を実施することです。

むろんその政策とは、バカげた緊縮財政を止め、中長期的に総需要の拡大を図ることに尽きます。