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議会報告 川崎市政

「物流」安全保障2018/07/12    

西日本の記録的な豪雨が、我が国の物流網に混迷をもたらしています。

山陽自動車は河内ICから広島ICまでの39kmにわたって通行止めとなっており、JR山陽線は倉敷駅から新南陽駅までの約270kmにわたって運行停止になっています。

日本高速道路によれば、山陽自動車の道河内IC~広島IC(39㎞)については7月15日に通行止めが解除される見込みのようですが、JR山陽道については運転再開のめどが立っていません。

こうした陸の大動脈が寸断されていることで、物流に混乱が生じています。

神戸と九州(北九州・別府)とを結ぶフェリーに物流需要が殺到しており、利用車両が通常の2倍になっています。

あるいは、川崎市にある三菱ふそうトラックバスは、部品工場の多くが岡山に集中しているため部品の運搬が滞り、神奈川の2工場が操業休止に陥っています。

佐川急便は、九州方面への輸送は貨物鉄道を利用しているため、東日本から九州全域への宅配便を停止しています。

一部の物流網が寸断されただけで、その被害は全国に波及するわけです。

もしも北陸新幹線とつながった山陰新幹線、そして関西と九州とを結ぶ四国新幹線などが整備され、あるいは高速道ネットワークがもっと充実されていれば、状況はもっと緩和されていたはずです。

「熊しか通らないようなところに道路をつくって…」などと揶揄して、国民生活の基盤を支える公共事業を悪視する菅何某という総理大臣がいましたが、こういうときに熊しか通らないような道路がモノをいう。(実際には熊しか通らないような道路など存在しない)

ひどい水害に見舞われた岡山県倉敷市真備町では、通行止めが相次いでいて連日の交通渋滞となっていますが、それに伴う生産性の低下により、その地域のGDP(所得)は減少することになります。

むろん、前述の三菱ふそうトラックバスや佐川急便だって、仕事がしたくてもできないわけですから、その分、所得獲得の機会が失われます。

その意味で、「物流」も立派な安全保障の一つであることが解ります。

さて、物流のみならず、農作物にも全国的に大きな打撃が予想されています。

例えば、岡山の葡萄や桃、愛媛のミカンに被害がでていますので、やがて葡萄、桃、ミカンの値段が上がり、それにつられて他の農作物の価格が上昇するかもしれません。

来週あたりから、首都圏のスーパーでも値上がりがはじまる可能性があるようです。

デフレで所得(実質賃金)が増えないまま農作物などの価格が上昇するのですから、益々もって実質消費が落ち込んでいくことは明らかです。

「農協をぶっ潰し、特定の農作物に特化することで日本の農業は世界の自由市場に打って出ろ…」という正気の沙汰とは思えない農業政策を主張する人たちがいますが、彼らの政治思想には「食料安全保障」という概念はない。

全国各地で多様かつ良質な農産物が生産され、それらが強靭な交通インフラで結ばれることで、私たち日本国民は例え自然災害に見舞われても、その被害を最小化し安くて安心な食料を手にすることができるのです。

そのために国家の関与、あるいは生産者と消費者との間で調整機能を発揮する中間組織としての農協等が存在しています。

まかり間違っても、「インフラ」や「食料」を自由な競争市場などに委ねてはならないのです。

とりわけ、今回の災害においても、インフラの未整備や経年劣化したインフラの更新を怠ってきた政治・行政の怠慢が露呈しています。

長年にわたり緊縮財政に固執してきた財務省による人災の面が色濃く出てしまったのだと私は思っています。

因みに、川崎市にも“根拠なき財政破綻論”を煽っては、防災投資など未来のための投資を抑制させている人たちがいます。