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議会報告 政治・経済

憂いなければ備えなし2018/07/10    

西日本を襲った記録的豪雨による被害者数は、13府県で死者が126名、心肺停止が2名、行方不明や連絡の取れない人が79名になってしまいました。

本日(7月10日)、生存率が著しく下がるとされる「発生から72時間」を迎えてしまうなか、懸命なる捜索と救助が続いています。

気象庁によると、今回の記録的豪雨は「平成30年7月豪雨」と名称され、1983年に島根県を襲った「昭和58年7月豪雨」以来の最悪の豪雨被害とのことです。

これまでは、いわば一次的被害ですが、今後は容赦なく二次的被害が襲い掛かります。

その被害の一つが、生産資産が失われたことに伴う「GDP(所得)」の喪失です。

私たち日本国民は、公共インフラや工場設備などの生産資産を活用することによってモノやサービスなどの付加価値を生産しています。

例えば、何らインフラや設備のない砂漠のど真ん中で、ラーメン店を営め、と言われたところでどだい無理な話です。

まともな上下水施設、ガスやコンロ、あるいは包丁や鍋や釜などの道具が一切存在しないところでは料理などできません。

お酒ファンならだれもが知る日本酒「獺祭(だっさい)」。

その蔵元である旭酒造が、今回の記録的豪雨で被害を受けました。

酒造施設の横を流れていた河川が氾濫したことで浸水被害をもたらし、一升瓶に換算すると30万本の獺祭が廃棄処分になるのだとか。

その上、停電による被害も甚大だったそうです。

停電によって冷蔵システムがやられてしまい、製造過程の獺祭の保存状態が悪化したことから、「もはやそれはただのお酒であって獺祭ではない」と、旭酒造の社長さんが悲痛な面持ちで言っていました。

酒造施設が全面的に復旧するためには2カ月以上もかかるそうです。

結果、旭酒造の被害額は計14億円以上にも及んでしまうといいます。

即ち、このことだけでも14億円分のGDP(所得)が失われることになります。

あるいは獺祭関係の流通業者や小売店についても、この2ヵ月間、獺祭を仕入れて販売する機会が失われることになります。

むろん、そうした業者の皆さんの所得も減ります。

このように様々な生産資産が破壊されてしまうと、国民経済の根幹たる「所得創出の機会」までもが喪失されてしまうのです。

であるからこそ、備えあれば憂いなし、です。

土木学会の試算によれば、首都直下型大地震場合、一次的被害及び二次的被害を合わせた被害総額は700兆円、南海トラフ巨大地震の場合の被害総額は1,400兆円になるとのことです。

なお、脅威は自然災害だけではありません。

テロ、ゲリラ、サイバー攻撃等々、様々な脅威から国民生活の基盤たるインフラや生産資産を守っていかねばなりません。

そこで、我が国全体(官・民)の建設投資(建築・土木)の推移をみると、次のグラフのとおりです。

1998年のデフレ突入以降、極めてお粗末な推移です。

我が国には、憂いがないから備えもないのか?!