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議会報告 川崎市政

災害から国民を守ることができない「新自由主義」2018/07/09    

記録的な豪雨が西日本を襲い、甚大な被害をもたらしました。

河川の決壊や土砂崩れは、多数の行方不明者と死者を発生させ、いまなお多くの被災者の皆様が疲労と不安のなかで避難所におられます。

大雨特別警報はすべて解除されましたが、当ブログ執筆時において、13府県で91人が死亡、3人が重体、行方不明や連絡が取れない人は87人となり、被害者の数は増え続けています。

濁流に流された大型トラックが塀に乗り上げ、街一帯が湖のごとく水没している倉敷市真備町のテレビ映像をみて驚きました。

今朝ほどは、だいぶ水も引け、地域住民の皆様が各々自宅にお戻りになりつつあるとのことです。

ただ、未だに水が引かず、孤立分断され救助を待っている人たちのいる地域もあるようで、自衛隊が救助に当たっているようです。

今回の豪雨は数十年に一度の豪雨だったとのことですが、数十年に一度の豪雨に対応できるほどのインフラ整備力を我が国は既に失っていることを改めて痛感しました。

何十年に一度の自然災害に対して、被害をゼロにすることはむろん不可能でしょう。

しかしながら、予めの対処によって被害を最小限に食い止めることは可能であると思います。

今回、行政による避難警報はだいぶ早い段階から出されていたようですが、非難警報は予めの対処のほんの一部にすぎません。

予めの対処の根幹は、何といっても防災インフラの更新強化です。

超自然災害大国である我が国においては、これがなければ救える命を救うこともできない。

ところが、残念にも我が国の公共事業関係費は、新自由主義(ネオリベラリズム)に基づく「小さな政府論」によって1998年をピークにほぼ半減しています。

とりわけ安倍政権は、下のグラフのとおり「コンクリートから人へ」の名のもとに公共事業を敵視した民主党政権時とほぼ同水準に公共事業関係費を抑えています。

因みに、川崎市の土木費も1998年以降は、下のグラフのごとき推移です。

新自由主義とは、自由市場的調整システムが資源配分の効率化をもたらし経済厚生を最大化させる、というイデオロギーです。

自由市場的調整メカニズムを機能させるには、「小さな政府」「収支均衡(緊縮財政)」「自由化」「民営化」「規制緩和」「グローバリズム」「自由貿易」が必要だという。

しかしながら、言うまでもなく自由市場的調整メカニズムは自然災害には無力です。

そもそも新自由主義というイデオロギーは、国境も災害もなく、国による風土や文化や伝統や通貨の違いも存在しないワンワールドなファンタジーを前提としているために、災害、紛争、テロ、疫病、金融などの危機を想定していません。

むろん、すべてとは言いませんが、今回、お亡くなりになってしまった人たちの幾人かは「新自由主義の被害者」なのではないでしょうか。

少なくとも私は、あの民主党政権による公共事業費削減がなければ、2015年9月の鬼怒川の決壊は防ぐことができたと思っています。

財政とは、政府による経済活動のことです。

であるならば、政府の経済活動の目的に沿った財政運営が為されなければなりません。

政府による経済活動の目的は、国民の安全を守り、所得的に豊かにすることです。

収支均衡など、その目的にはなり得ません。(収支均衡が正当化されるのはインフレ率が過度に上がりはじめた局面のみ)

新自由主義は通貨を金属貨幣としてとらえているため、政府支出(政府の通貨発行)には制約があると誤解します。

だから収支は常に均衡しなければならない、というドグマに陥ります。

しかしながら、現実の通貨は金属貨幣でなく国家が表券的に発行する信用貨幣です。

よって、①デフレに陥るほどの供給能力を持つ国、②自国建て通貨で国債を発行できる国には、国債発行額にほぼ制約など存在しません。

そうした常識を知らない政治家(議員)、役人、学者、ジャーナリストたちが新自由主義に洗脳され、科学的根拠のない財政危機を煽っては緊縮財政を推進しています。

詰まるところ、天災を人災に変えてしまうのが新自由主義だと思うのです。