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議会報告 政治・経済

生産性を高める政策2018/07/08    

日本経済新聞が次のような記事を掲載しています。

『人手不足、先進国で成長の壁 生産性向上が課題
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32740710X00C18A7SHA000/

先進国で失業率が下がっているのに、賃金がなかなか上がらない。背景にあるのが、人手不足が足かせとなって経済の活力が落ちる供給側の要因だ。企業は成長への期待を失えば、賃上げをためらう。人手不足の壁を乗り越えるには、生産性を高める施策が一段と重要になる。(後略)』

先進国で失業率が下がっているのに、賃金がなかなか上がらない…

とりあえず突っ込みを入れておきますが、我が国では失業率が上がっていようが下がっていようが、下のグラフのとおり賃金は上がっていません。

上っていないというより、下がり続けています。

その最大の要因は、デフレ経済とグローバリズム経済に基づく株主資本主義化(労働分配率の低下)にあろうかと思います。

ただ、日本経済新聞が言うように人手不足なのは確かです。(但し、その理由は生産年齢人口比率の低下であって、景気の回復ではない)

この人手不足を生産性の向上で克服しなければならないのもまた、日本経済新聞の言うとおりだと思います。

さて、生産性の向上とは、一人あたりのGDPを増やすこと。

そのためには労働装備率(資本装備率)を引き上げればいい。

働装備率 =  有形固定資産 ÷ 労働者数

即ち、この数式でいうところの分母を増やさずに分子(有形固定資産)を増やせばいい。

有形固定資産とは、公共インフラや企業の生産設備など、生産資産のこと。

例えば、企業が生産資産を増やすには設備投資を拡大することが必要です。

企業が設備投資を拡大するときってどんな時でしょうか…

それは、需要の拡大が見込める時だと思います。

とはいえ、現在は需要の拡大を見込めないデフレ経済(需要不足経済)です。

そして多くの企業が、設備投資ではなく外国人労働者などの低賃金労働者の受け入れによって人手不足を補おうとしているようです。

生産資産が増えず、かつ低賃金労働者が増えていく一方なのですから、国民の賃金が上昇するわけがない。

むしろ低賃金化は、グローバルに展開する企業にとっては企業収益と株主配当(自社株買いを含む)を拡大する格好の経営環境となっています。

そうしたなか、緊縮財政によってデフレ経済(需要不足)を放置し、低賃金圧力をもたらす外国人労働者の受け入れを拡大しているのが安倍政権です。

なお、それらの政策を後押ししていうるのが日本経済新聞という構図になっています。

因みに消費税増税派は、増税すれば国民の財政的な将来不安が払拭され需要が拡大する、みたいないい加減なことを言っています。

消費税率が引き上げられるたびに明らかに需要は落ち込んでいるというのに。

それに、政府支出の拡大なしに需要不足が埋められた歴史的事例を私は知りません。

生産性向上のために求められているのは、①需要不足を埋める政府支出の拡大と、②低賃金化をもたらす外国人労働者受け入れを制限することです。

くどいようですが、外国人労働者の受け入れは、企業の労働装備率の強力な引き下げ圧力になっています。

そして非常に難しい問題ですが、グローバリズムに基づく株主資本主義というものに一定の規制をかけなければ、企業の労働分配率を引き上げることは困難かと思われます。

労働分配率が低いままでは、たとえ生産性が向上したとしても賃金が上昇するとは限りませんので。