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議会報告 政治・経済

日本経済を象徴する二つの記事2018/07/02    

昨日(7月1日)の日本経済新聞に、象徴的に関連している二つの経済記事が掲載されていました。

一つ目は、日銀が来年度(2019年度)の物価の見通しを下方修正し、金融緩和は長期化するだろう、という記事。

二つ目は、国内銀行の対外債権残高が過去最高を記録した、という記事。

『日銀、19年度物価見通し下方修正へ 緩和は長期化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32467600Q8A630C1MM8000/

日銀は2019年度の物価見通しを下方修正する方向で検討に入った。4月時点では19年度の上昇率を1.8%とし、2%の物価目標に近づくと説明していたが、1%台半ばに引き下げる。足元で物価の伸びが鈍いことを反映する形で、翌年以降の見通しを下げるのは異例だ。米欧の中銀が金融緩和の縮小に向かう中、日本は緩和策が長引くことになる。(後略)』

国内銀の対外債権最高 3月末3兆7487億ドル
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32475960R00C18A7NN1000/

国内の銀行による海外向け融資や外国の国債・株式投資の残高が増えている。日銀がまとめた3月末時点の対外債権残高は2017年12月末から934億ドル増え、3兆7487億ドル。ピークだった16年9月末を超えて過去最高となった。国内の低金利環境が続くとの見方が強まるなか、米欧を中心に外債を買う動きが広がっている。(後略)』

これら二つの記事は、我が国の経済が未だデフレ化にあることを象徴的に裏付けています。

まず、デフレでモノやサービスの購入が増えないから物価が上昇しない。

物価が上昇しないということはおカネ(貨幣)の価値の上昇を意味するから、どうしても金融緩和(おカネの価値を下げる政策)を止めることはできない。

もしもこのような状況下で金融緩和を止めたら、すぐさま円高(貨幣価値の上昇)となって、デフレどころか総理ご自慢の株価まで下落してしまいます。

国内銀行が対外債権の購入を拡大するのは、デフレによって国内の資金需要が乏しいからです。

政府も企業も借金をしない。

自然、国内資金需要は萎みます。

おカネを借りてほしい人が借りてくれない、という状況に追い込まれた民間銀行は、何らかの金融資産で長期資金を運用しなければなりません。

最も安全な金融資産は「国債」ですが、政府はPB黒字化目標の呪縛から国債発行を抑制しているので、市場の国債が既に枯渇しています。

下のグラフのとおり、2013年4月からはじまった黒田バズーカ(量的緩和)により、既に国債の41.8%(2018年3月末時点)を日銀が保有し、国内銀行の保有比率は17.1%にまで低下しています。

そこで国内銀行は外債を購入することで、何とか運用先を確保しているわけです。

日銀だって金融緩和(国債購入)を続けるにしても、市場の国債が枯渇しているがために「強制的な緩和政策の終了」が目前に迫っています。

はて、この先どうするのでしょうか。

正しい解は唯一つ、政府が国債を発行し、デフレ脱却のための需要創造(財政出動)を行うしかない。

デフレから脱却できれば、物価はマイルドに上昇しはじめ賃金上昇の圧力がかかり、企業の投資意欲も回復して国内銀行の資金需要も高まります。

むろん、政府が創出すべき需要は山ほどあります。

インフラ、医療、介護、教育、技術開発、防衛、エネルギー安保、食料安保などなど…