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議会報告 川崎市政

療養病床入院の自己完結率2018/06/27    

昨日(6月26日)の一般質問終了後、多くの皆様に激励やお褒めのお言葉を賜りました。

ふかく感謝申し上げます。

さて、私はこれまで川崎市議会で、川崎北部医療圏(多摩区、麻生区、宮前区、高津区)において、療養病床の不足により将来的に多くの療養難民が発生する可能性について指摘し、それを回避すべく様々な具体案を建言して参りました。

因みに、川崎市では高齢者施設が医学的管理を救急車に丸投げしてしまう、いわゆる「押し付け救急」が増えている状況にあり、そうした老人福祉施設における医学的管理の重要性についても指摘させて頂いております。

きのうの一般質問においても、療養難民対策について更に突っ込んだ質問をさせて頂いたところです。

地域医療構想の「回復期病床」の一部と「慢性期病床」との合計は概ね医療計画の療養病床に相当するのですが、新たに作成された神奈川県の地域医療構想や医療計画をみますと、川崎北部医療圏の「医療構想上での回復期及び慢性期病床」あるいは「医療計画上での療養病床」が今後も大幅に不足することが容易に推測されます。

下のグラフをご覧ください。

これは平成28年10月に策定された神奈川県地域医療構想に示されている本市の「療養病床入院の自己完結率」を示すグラフです。

自己完結率とは、その医療圏で発生した療養患者を、その医療圏の中でどれだけ受け入れることができているのかを示す割合です。

ご覧のとおり、本市のそれは極端に低くなっています。

さらに次のグラフは、地域別の将来人口推計です。

ご覧のとおり、多摩区(川崎市北部)と川崎区(川崎市南部)の将来人口推計は、2015年から20年後の2035年には、75歳以上方の割合は、私の住む多摩区では8.8%から15.5%へと76%の増加、川崎区では10.0%から12.5%へと25%増加します。

問題は、自己完結率の低い川崎市から流出した療養患者を、これまで主として引き受けてきた横浜北部や東京という医療圏においても、本市同様に今後更なる高齢化が見込まれることです。

当然ですが、高齢化は川崎市だけで進むわけではありません。

ゆえに、このままの状態を放置すると、川崎から流出する療養患者の“流出先”すら無くなってしまうのではないかと危惧されます。

なお、本市における既存の療養病床の病床利用率をみると下のグラフのとおりです。

男女を同室にはできないなどの事情を考慮すると、病床利用率が既に90%を超えているということは、ほぼマックス状態と言ってよく、限界に達しているとみるべきです。

だからこそ療養病床の増床が求められているのですが、仮に計画上、療養病床を大幅に増床したとしても、川崎市の地価の高さなどを含め、採算の観点から参入してくれる医療機関があるかどうかは解りません。

何よりも、現在のような財務省主導の緊縮財政路線が続くかぎり、療養病床の増床を国が認めてくれる可能性は極めて「薄」です。

よって、療養病床への入院が物理的に困難であるのなら、在宅医療の体制強化を図ることでその受け皿をつくる以外に方法はありません。

厚生労働省は、在宅医療の体制強化を図るには「退院支援」「日常の療養支援」「急変時の対応」「看取り」の4つの医療機能の確保が必要だと言っています。

そこで『神奈川県の在宅医療に関する医療計画に基づく取り組み状況』をみますと、横浜では「退院支援ルール」が既に策定済みであるのに対して、残念ながら川崎市は未策定になっています。

もっともこれは全国的に未策定の自治体が多いのですが、「急変時の対応」を図るためのいわゆる「在宅療養支援病院」の数をみても、横浜市が31施設であるのに対して、川崎市は僅か5施設しかありません。(むろん人口差の問題もありますし、単に「数」だけではなく「質」の問題も重要ですが…)

昨日の私の質問に対する健康福祉局長の答弁でも明らかになったように、「退院支援調整等については在宅療養者を支援する機関との連携に課題がある」とのことです。

つまり、今後なお一層の高齢化が進み、療養病床の増床も困難であり、かつ療養病床入院の自己完結率が低く、更には地域の支援機関との連携にも課題があるというのであれば、ますますもってその地域で完結できる「在宅医療体制」の強化が必要です。

療養病床を増床できないのであれば、在宅医療の充実によって療養患者を吸収するほかありません。

それができれば、「療養病床入院の自己完結率」は自ずと向上します。

この「療養病床入院の自己完結率」がキーワードです。

これを引き上げることができなければ、多くの療養難民が発生します。