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議会報告 川崎市政

家計簿行政の被害者は国民2018/06/08    

本日(6月8日)、ラジオ日本(AM1422kHz)『マット安川のずばり勝負』に出演させて頂きます。

http://www.jorf.co.jp/?program=yasukawa

私の出番は、概ね12:50~14:00ごろです。

さて、今月(6月)に閣議決定される予定の「骨太の方針2018」(経済財政運営と改革の基本方針 2018)の原案が明らかとなりました。

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0605/shiryo_01.pdf

やはり、2025年にプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下「PB」)を黒字化する、という家計簿的な目標が明記されるようです。

PB、即ち借金を悪としつつ、収入以上の支出はしない。

支出を収入の範囲に収め、なおかつ借金をしない…これは明らかに「家計簿」の発想です。

PBの単年度黒字化は家計簿としては善ですが、これを通貨発行権と徴税権をもつ国家財政や、通貨発行権はなくとも徴税権をもっている地方行政でやられてしまったら、国民はたまったものではありません。

行政や企業における「借金」の否定は、「投資」の否定です。

国民生活や経済活動を支える下部構造、即ち道路や上下水道などのインフラストラクチャーは、借金(投資)によって整備されます。

税収をコツコツ貯めて整備するわけではありません。

東海道新幹線だって、東名高速だって、羽田空港だって、ことごとく借金(投資)によって造られました。

であるからこそ、現代を生きる私たち日本国民はその恩恵に浴することができています。

さすがに家計だって、マイホームを購入するときには住宅ローンを組みます。

ローンを組まず、収入の一部をコツコツ貯めて…なんて言っていたら、いつまでたっても家を購入することができません。

しかし、同じ借金でも、住宅ローンと公共投資とでは返済方法が異なります。

家計は基本的に毎月の収支をやりくりしてローンを返済していきますが、政府や地方自治体は借り換えが可能です。

例えば川崎市でみますと、市債発行額の約半分を借換債が占めています。

因みに政府は、毎年100兆円程度を借り換えています。(別に悪いことではない)

それに、借金(投資)によりインフラストラクチャーが整備されることでストック効果が発揮されますので、市内総生産(市内GDP)と税収が増えます。

なぜなら、税収 =  GDP × 税率  …ですので。

借金 ⇒ 投資 ⇒ 経済成長 ⇒ 税収増 ⇒ 借金 ⇒ 投資 ⇒ 経済成長 ⇒ 税収増、のサイクルこそが資本主義の成長モデルです。

断っておきますが、我が国は人口減少社会を迎えるからこそ、いま以上の投資が必要になります。(人口が減るから公共事業は要らない、というのは間違い)

このように言うと、「そんなことを言ったって、国(政府)であれ、地方行政であれ、いずれは借りたおカネを返さなきゃダメでしょ!」と言われそうです。

いいえ、そんなことありません。

国債であれ、地方債であれ、それを政府の子会社である日本銀行(中央銀行)が買い取った瞬間に借金は消えてなくなります。

現に、日銀の量的緩和(国債購入)により、政府が返済すべき負債は順調に消えていっています。

むろん、日銀による国債や地方債の購入量には制約(上限)があります。

その制約とは、インフレ率(物価上昇率)です。

日銀による国債や地方債の購入は通貨供給量の拡大を意味しますので、当然ながらインフレ圧力になります。(ただし、そのおカネが日銀通座預金に貯まるだけであればインフレ率は上昇しない)

とはいえ、現在の日本のような深刻なデフレギャップ状態であるなら、たとえ全国の自治体の地方債を日銀がすべて購入したところで、さほどインフレ率は上昇しないでしょう。

現に、黒田日銀が量的緩和(国債購入)をはじめて以来、すでに350兆円ものおカネ(日銀当座預金)を増やしましたが、インフレ率は一向に上昇していません。

日本政府や地方自治体の負債問題など、所詮はその程度の話しにすぎません。

さて「骨太の方針2018」の原案には、前述の「2025年までのPBの単年度黒字化」とともに、「2021年にPB赤字を、対GDP比で1.5%にまで縮減する」という新たな目標も明記されています。

ということは、来年(2019年)、再来年(2020年)の二年間で財政出動(歳出拡大=負債拡大)できる、という微かな余地が生まれます。

もしもこの二年間で財政をふかしてGDPを拡大することができれば、PB赤字を対GDP比で1.5%にすることは可能かもしれません。

それが、デフレ脱却のための最後のチャンスか!?

デフレを脱却することができれば、PBの単年度黒字化も実現できるかもしれません。(というか、PBを単年度で黒字化しなければならないことの意味がよくわからないのですが…)

くどいようですが、国家財政は家計簿とは違います。

政府が「不要なPB」に縛られて財布の紐を引き締めますと、当然のことながら地方交付税や各地域のインフラ投資のための起債が減らされますので、地方自治体にとってもピンチなのです。

その被害者は国民です。