〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

「1票の格差是正」の再考2018/06/07    

自民党が「参議選の制度改革」の名のもと、今国会に公職選挙法改正案を提出しようとしています。

その内容は、例えば選挙区では「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区を継続しつつ、「1票の格差」是正へむけ埼玉選挙区の定数を2つ増やし、また比例代表の定数も4つ増やして合計で6増するとのことです。

緊縮財政による「デフレ」と、防災安全保障を軽視した「東京一極集中」をそれぞれに放置したまま、今のように「1票の格差是正を!」などとやっていったら、都市部の声を代弁する国会議員ばかりが増えてゆき、地方の声は国政に届かず、益々もって我が国の地方都市が衰退していきます。

世界屈指の自然災害大国の我が国においては、できうる限り国土全体に都市集落を分散させ、「いざっ!」という時に、お互いの都市集落が助け合うこうことのできるバックアップ体制を構築しておく必要があります。

分散した都市集落を高速道路や新幹線などの交通インフラで結び、都市集落としては分散しつつも商圏(経済活動)としては一体化させる努力を惜しんではならない。

人口(有権者)の減少地域であることから、参議院選挙で合区とされてしまった島根県や鳥取県はまさにインフラ貧困地帯です。

平成26年ベースで各都道府県の名目GDPをランキングしてみますと、47都道府県の中で鳥取県は最下位です。(島根県はワースト3位)

驚いたことに、鳥取県の県庁所在地である鳥取市に高速道路が整備されたのもつい最近のことです。

鳥取県といえば、次期総裁候補に名前を連ねられている石破茂衆議院議員の選挙区ですね。

そういえば石破先生も、財務省お気に入りの緊縮財政派でした。

「1票の格差是正」によって地方の声がなかなか国政に反映されていないなか、地方選出の国会議員であるにもかかわらず財務省の声を代弁しているのだから凄い。

さて、米国の上院では、各州の定数はいずれも2議席になっています。

その州の人口が増えようが増えまいが、必ず定数は2議席です。

それでも我が国のように1票の格差など全く問題視していません。

その理由は、米国においては「州そのものが1つの国家である」という考え方に基づいているからです。

我が国における都道府県はけっして国家ではありませんが、均衡ある国土の発展を実現していくためには、1票の格差云々に左右されることなく選出される国会議員がいてもいいのではないでしょうか。

ご承知のとおり、衆議院の任期は4年(解散あり)であるのに対し、参議院の任期は6年(解散なし)です。

このように、あえて衆参それぞれに選挙制度を違えているのは、多様な選び方によって多様な人材を確保するためでしょうから、例えば参議院についてのみ「1票の格差を問題視しない」としてもいいのではないでしょうか。

いつまでも「1票の格差がぁ~」などと言っていたら、国政であろうが、地方行政であろうが、人口の集中する都市部にばかり議員が増えていく一方です。

あまりにも1票の格差の是正を追求していくと、皮肉なことに都市部と地方との格差が拡大していきます。

都市部と地方との格差拡大は、我が国の防災安全保障の弱体化です。