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議会報告 政治・経済

疑うべきは政府と日本経済新聞の理解度2018/06/03    

いよいよ運命の6月に突入しています。

何が運命かといえば、今月中旬、我が国の政治の最重要案件である『骨太の方針2108』が閣議決定されます。

そこに“PB黒字化目標”など、デフレ脱却のための財政出動を制約するような健全化目標が盛り込まれてしまえば、我が国は「万事休す」です。

デフレは脱却されず、インフラ、防衛、教育、科学技術、介護や医療などの福祉への支出は今以上に抑制されることとなり、我が日本国の小国化(発展途上国化)が確定します。

何よりも「政府債務対GDP比の低下」という真っ当な財政再建の道も閉ざされることになります。

いつも言うように…

税収 = 税率 × GDP …です。

総需要が不足(貨幣価値が上昇)するデフレ下では、どんなに「税率」を引き上げても、結局は再デフレ化してしまいGDPは増えません。(消費税増税すれば必ずデフレ化します)

また、「GDP」が恒常的に成長しなければ、税収を安定的に増やしていくこともできません。

ご承知のとおり、我が国は1997年から緊縮財政を行ってデフレに突入しました。

そこで、2016年のGDP(名目)を1996年のそれと比較してみますと、次のグラフのとおりになります。

ご覧のとおり、2016年の我が国のGDP(名目)は、1996年比でわずか「1%」増という、なんとも情けない数字です。

要するに、日本の税収不足の主因はデフレによるGDPの無成長なのです。

マクロ経済の現実として、政府部門の黒字収支は民間部門の赤字収支(もしくは資本収支の赤字)によって創造されます。

なぜなら「政府部門の収支 + 民間部門の収支 + 海外部門(資本収支)= 0」という逃れることのできない等式があるからです。

が、べつに政府部門を無理して黒字化する必要はなく、重要なのは民間部門の赤字を拡大してGDPを拡大させることです。

GDPが拡大すれば税収が増えますので、自ずと政府債務対GDP比率は低下していきます。

そして、デフレ期に民間部門の赤字収支を引き出す施策こそが、政府部門による財政支出(赤字化)です。

よって…
政府財政の赤字化なくして、デフレ脱却なし!
デフレ脱却なくして、民間部門の赤字化(GDP成長)なし!
民間部門の赤字化(GDP成長)なくして、財政再建なし!
…となります。

いまや社会通念と化してしまった「金属主義」という誤った貨幣観が、これらの理解を妨げています。

一昨日(6月1日)の日本経済新聞の報道によれば、残念ながら『骨太の方針2018』に新たなPB目標が盛り込まれる予定のようです。

因みに、日本経済新聞も「金属主義」という誤った貨幣観で財政を論じています。

『本気度疑われる政府の財政健全化目標
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO31232760R30C18A5EA1000/

政府の新たな財政健全化の目標づくりが大詰めを迎えている。従来は2020年度としていた国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化の時期を25年度とする方向だ。今度こそ財政健全化に本気で取り組むつもりなのか、政府の決意が問われている。安倍晋三首相は昨年の衆院選前に19年10月に予定する10%への消費税率引き上げ分の税収の使い道を、借金返済から教育の無償化などに変更し、PBの20年度黒字化目標を断念した。政府はそれにかわる新しい目標を6月中旬に閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む予定だ。(後略)』

このままでは、我が国の小国化(発展途上国化)は避けられません。

政府の本気度より、政府と日本経済新聞の理解度を疑います。