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議会報告 政治・経済

企業と国民の利益が一致しないシステム2018/06/02    

昨日(6月1日)、3月の実質賃金(きまって支給する給与)の確定値が厚生労働省から発表されましたが、結局は速報値を下回ってしまい5カ月連続でのマイナスです。(実質賃金は、名目賃金から物価上昇分を差し引いて算出)

実質賃金では「きまって支給する給与」と、賞与などの「特別に支払われた給与」との合計を「現金給与総額」と言います。

厚労省やメディアは「きまって支給する給与」よりも「現金給与総額」の動向のほうを重視しているようですが、基本給の恒常的な上昇がなければ家計支出の拡大は望めないので、当ブログでは「きまって支給する給与」のほうを重視しています。

一方、去る5月18日に発表された消費者物価指数も、下のグラフのとおり再び勢いを失っています。

このような状況下であるにもかかわらず、総理は「(今の日本経済は)デフレ脱却の正念場にある」などと言っていますが、「脱却」の「だ」の字すら、まったくもって見えていない、というのが実状です。

因みに、実質賃金の下落は、ほぼ「生産性の低下」を意味します。

さて、我が国政治は1990年代以降から急速にグローバリズム(株主資本主義)路線を進むことになりました。

グローバリズム(株主資本主義)とは、ヒト、カネ、モノの国境を越えた移動の自由を最大化することで、グローバル企業とグローバル投資家たちの利益を最大化するシステムのことです。

自然、グローバリズム時代は、経団連が言うところの「企業が国を選ぶ時代」になります。

…昔の経団連は「企業は社会の公器」という真っ当な経済団体だったのに…

つまり「企業が国を選ぶ」というのは、具体的には「企業が人件費と法人税の安い国を選別する」という意味です。

何が言いたいのかと申しますと、こうしたグローバリズムの下では、企業の利益と国民の利益は絶対に一致しない、ということです。

とりわけ、企業が人件費を抑制しようとすれば正規雇用よりも非正規雇用を、一般労働よりもパートタイムを拡大することとなり、政府が法人税率を引き下げようとすれば逆進性の高い消費税の税率を引き上げることになります。

下のグラフのとおり、グローバル化が進んだ1990年以降、我が国では労働者の労働時間は着実に減りつづけ、その一方でパートタイム労働者の比率が高まってきました。

1998年からは、いよいよデフレに突入したこともあって、実質賃金までもが下がりはじめました。

グローバルリズム(株主資本主義)下にあるかぎり、常に国民(国民経済=GDP)はグローバル企業やグローバル投資家たちの搾取の対象になってしまうのです。