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議会報告 政治・経済

モリカケ問題はレントシーキング問題2018/05/29    

モリトモ・カケイ問題にしか関心のない野党とマスコミには、いいかげんに辟易としていますが、今日はあえてこの問題を取り上げたいと思います。

ある尊敬する先生から「狐借虎威(こしゃくこい)」という言葉を教えて頂きました。

「狐借虎威」とは「狐、虎の威を借る」、即ち「虎の威を借る狐」という意味で『戦国策』に由来する言葉なのだとか。

なるほど、首相という「虎」の威を借る明恵夫人がまるで「狐」のようだと。

狐である自分が森友学園に肩入れすれば、背後にいる虎(ご主人)の威を借る結果になることをおそらくはご自身で認識していたはずです。

そんな夫人の軽薄な行動を容認した安倍総理にも批判の矛先が向いているわけです。

野党やマスコミは、夫人が「名誉校長」だったとか、あるいは総理の昔からの「親友」であったとかの事実と、結果として便宜供与がなされたのか否かの事実との関係性を追求しているようですが、当該問題は要するに「レントシーキング」問題です。

レントシーキングを直訳すると、まず「レント(rent)」は地主が得る地代のことで、次いで「シーキング(seeking)」はそれを探し求めること、になります。

一般的に、地主は小作人に土地を貸して地代を得ますが、基本的に労働をせず付加価値を創出しません。

小作人(他者)が稼いだ所得の一部を、ただ地代として搾取するだけです。

転じて、それまで規制されていて参入できなかった利権に、ロビー活動による規制緩和によって強引に割り込んで、その利権や利益の一部を得る(探求する)ことを「レントシーキング」といいます。

つまり、籠池氏や加計氏などのように、政治家や官公庁に働きかけ、法制度や政策を変更させることによって自らのビジネス利益を最大化させようとするわけです。

市場への新規参入を目論む企業経営者などが法規制を緩和(変更)させ、強引に市場に参入して既存のパイ(所得)を奪い取るのが典型です。

この「新たな需要を創出せず、既存のパイ(需要)を奪うだけ」というのがレントシーキングの最大の特徴です。

レントシーキングは民主的な手法を蔑ろにするものであり、経世済民の観点からも許されるべきことではありません。

総理夫妻としては「たしかに李下で冠を糺したかもしれないけれど、べつに李の実を盗んだわけじゃないのだから許してくれよ」と言いたいのでしょうが、そもそもレントシーキングは構造的に便宜供与を生むものです。

またレントシーキングは、政治的、経済的、社会的な格差を拡大する元凶にもなってきました。

本質的には、そのことのほうが大問題だと思います。

残念ながら、野党やマスコミはレントシーキングを問題視しません。

とりわけ野党が問題視しないのは、自分たちもレントシーキングを半ば肯定してきたからです。

例えば加計問題は「国家戦略特区」というレントしーキング制度によって発生していますが、そもそも「国家戦略特区」は民主党政権が創ったレントシーキング制度「国際戦略総合特区」のパクリです。

あくまでも私の個人的想像ですが、あの民主党政権の時だって、おそらくは特区に絡んで特定企業に便宜を図った政府関係者や与党議員が少なからずいたはずです。

そもそも「特区」とは、そうしたレントシーキングを助長する制度なのです。

我が国は、そのことが問題にならない不思議な国です。