〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

貨幣の本質2018/05/23    

6月12日に予定されている米朝首脳会談の開催が遅れる可能性を、トランプ米大統領が示唆しました。

やはり、合意にむけた調整が難航しているようです。

会談予定日まで、まだまだ二転三転するのだと思われます。

とはいえ結局は、開催延期ということになりそうな気がします。

さて、我が国の命運を左右する最大の国内問題である『骨太の方針2018』の閣議決定が近づいています。

どうやら歳出拡大(負債拡大)を抑制するための、かなり強烈な「枠」(健全化目標)がはめられそうです。

なので本日もまた、おカネについて取り上げたいと思います。

2008年9月のリーマン・ショック後、米国の中央銀行である米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国債などの資産を大量に購入して世界の金融市場に流動性を供給しました。

「流動性を供給した」と言うと少し難しく聞こえますが、要するに「流動性を供給した」とは、「おカネ(この場合は“ドル”)の量を増やした」ということです。

FRBがドルの量を増やした目的は、①資産価格の暴落と②実体経済のデフレ化を抑制するためでした。

日本においても、日本の中央銀行である日本銀行が、日本国債などの資産を大量に購入しておカネ(この場合は“日本円”)の量を増やしています。

ご承知のとおり、その目的はデフレ脱却のためです。

子会社である中央銀行が親会社である政府の発行した国債を購入する。

これを「量的金融緩和政策」と言います。

英語で言うと、「Quantitative easing」

略して「QE」です。

因みに、その逆に量的金融緩和を引き締める政策を「QT」(Quantitative tightening)と言います。

例えば、現在の中国人民銀行はQTを行っています。

むろん、その目的は人民元「安」を抑制するためです。

さて、いずれの国であっても、中央銀行がおカネの発行量を増やすと中央銀行のバランスシート(貸借対象表)は拡大します。

その逆に、中央銀行がおカネの発行量を減らすと、今度はバランスシート(貸借対照表)が縮小します。

要するに、QEとはバランスシートの「拡大」を意味し、QTはバランスシートの「縮小」を意味します。

なぜなら、中央銀行によるおカネ発行とは、中央銀行の「負債の拡大」を意味するからです。

例えばFRBが、10億ドルの米国債を購入した場合、FRBのバランスシートの借方(左側)に10億ドルの米国債が資産として計上され、バランスシートの貸方(右側)に10億ドルのおカネ(発行通貨)が負債として計上されます。

要するに「ドル」であれ「円」であれ、おカネとは「負債」そのものなのです。

こうした「負債」が存在するからこそ、私たち国民はモノやサービスを生産したり購入したりするなどの経済活動を行うことができるわけです。

ところが…

この世には、どうしても「政府の負債が気に食わない」という人たちがいます。

「政府は借金をするな!」「子や孫にツケを残すな!」みたいな、いわゆる「借金悪玉論」です。

そんなに「政府の負債が気に食わない」のであれば、自分のお財布に入っている現金を全て燃やして捨てればいいのに…

私たちが持っている「円」という現金や預金は、まさに日銀(政府の子会社)の負債なのですから。

なによりも、我が国の為政者たちが「おカネとは負債である」という貨幣の本質に迫れていながいために、残念ながら正しい経済財政政策が立案されないのだと推察します。