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議会報告 政治・経済

地政学的脅威が高まる中での米国との経済交渉は危うい2018/05/21    

FTA(Free Trade Agreement=自由貿易協定)締結に向けた動きが、日本と米国とのあいだで急ピッチに進んでいるようです。

『日米、二国間貿易協定への動き加速=米駐日大使
http://jp.wsj.com/articles/SB11182910543236833496604584225204126147942

米国のウィリアム・ハガティ駐日大使は15日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催のイベント「CEOカウンシル」で、米国の通商代表団が今週来日したことに触れ、日米の二国間貿易協定に向けた動きが急ピッチで進んでいるとの見方を示した。(後略)』

日本は2016年2月に12か国がTPP協定に署名しましたが、2017年1月に米国が離脱宣言をしたため、米国を抜いた11か国の閣僚がTPPの早期発効に向けた検討を行うことで合意し、同年11月にベトナムで開催されたTPP閣僚会合においてTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)を大筋合意しています。

その上でのFTA交渉です。

FTAは、関税もしくは関税以外の障壁(非関税障壁)を取り除いて、主としてモノやサービスの自由化を定める国際協定です。

しかしながら「自由化」などとは名ばかりで、実態は米国様が輸出してくるモノやサービスのために日本の市場を開放せよ、という協定になります。

しかも日本は、前述のとおり既にTPP11を合意していますので、最低でもTPP11以上の条件と譲歩を米国から求められることになります。

米国は、3月23日からの鉄鋼とアルミ製品への関税適用について、カナダ、メキシコ、EU、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、韓国を期限付きで対象から除外しましたが日本は対象とされました。

むろん、それに対し日本は文句を言えず。

安全保障を理由とする関税措置の適用対象から同盟国であるはずの日本を米国が除外しなかったのは、日本が安全保障を米国に依存しきっているからです。

そんな日本が、FTA交渉において“米国様の要求”を拒むことなどできるのでしょうか。

今後、もしも米中の貿易戦争がエスカレートし、巨大な中国市場へのアクセスを制限された場合、米国は東アジアへの関心を大きく低下させる可能性があります。

そうなると、在韓米軍の撤退を含め、米国の東アジアからの撤退(オフフォアバランシング)がいよいよ現実味を帯びてきます。

それを病的に怖れる日本は、今後、ますます“米国様の要求”を拒めなくなることでしょう。

東アジアの地政学的脅威が高まれば高まるほどに、日本は米国の経済的要求を呑まざるを得なくなります。

現在のような、半島情勢が困惑しているなかでの米国との経済交渉は実に危険です。