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議会報告 政治・経済

敵は「緊縮財政」であって「少子高齢化」ではない2018/05/14    

米朝首脳会談は、6月12日にシンガポールで開催されることになりました。

先の南北首脳会談の際、安倍総理は文在寅氏に「会談での拉致問題への言及」を期待していたようですが、予想どおり拉致問題への言及は全くありませんでした。

4月28日のブログでも述べましたとおり、交戦権を持たず、軍事裁判所を持たず、適地攻撃能力を持たず、情報力及び諜報力をも持たない日本です。

そんな国の外交的要望が易々と通るほど国際社会は甘くないわけであります。

この期に及んで安倍総理は「米朝会談が成功した後に、北朝鮮との直接交渉によって拉致問題を解決する」と豪語していますが、現時点において北朝鮮は「日本の拉致問題は既に解決済みだ」と言っています。

米国との約束だって平然と反故にしてきた北朝鮮です。

その北朝鮮が、米国への属国根性丸出しの日本の要求に耳を傾けてくれるなどとは到底思えません。

いつまでも「日米関係の強化こそが日本の安全保障の礎を強化する」などという時代錯誤な発想で「富国強兵」策を蔑ろにしているから、このような様になります。

さて、その富国強兵策の基盤となる経済ですが、ご承知のとおり、我が国では長引くデフレ(総需要の不足=貨幣価値の上昇)が国力の源泉である各種の供給能力を毀損し続けています。

ソシエテ・ジェネラル証券チーフエコノミストである会田卓司氏によれば、企業貯蓄率と政府貯蓄率の和(ネットの国内資金需要、トータルレバレッジ)の低さが、日本国内の資金需要・総需要を生み出す力を喪失してきた、と指摘されています。

そこで、氏の言うとおり、企業貯蓄率と政府貯蓄率の和から「ネットの国内資金需要」をグラフ化してみました。

グレーの面グラフが、ネットの国内資金需要(企業貯蓄率と政府貯蓄率の和)です。

このグレーの面グラフのマイナス幅が拡大すればするほど資金需要の高まりを示し、プラス幅が拡大すればするほど資金需要の低さを示します。

ネットの国内資金需要が、少なくともGDP比でマイナス4~5%のレベルで継続的に推移しなければデフレを脱却することはできないものと推察します。

意外に思われるかもしれませんが、国内資金需要が低迷しているなかで、かろうじて需要の下支えをしてきたのが医療や介護などの高齢者需要です。

例えば、我が国の「医療費の対GDP比率」をグラフ化すると、次にようになります。

医療費や介護費も立派な需要項目です。

政府最終消費支出の内訳推移をみても、赤いグラフの「保険」(主として医療費)が伸び続け大きな割合を占めています。

むろん、医療費が伸びている要因は、主として高齢化です。(医療機器の高度化もあります)

高齢化による医療費増大という需要拡大が、デフレ経済に陥っている日本の総需要を下支えしてきたわけです。

因みに、昨今、我が国の雇用統計が改善しているのは、主として少子化による生産年齢人口比率の低下です。

要するに、少子高齢化がデフレ経済で苦しむ日本経済を救っているのです。

よって、「少子高齢化だから日本はダメだ」などとは思わないことです。

需要に対しては供給を、供給に対しては需要を創造していくことで、経済成長(国力強化)は可能です。

いま日本に足りないのは、「投資」(公共投資+民間設備投資+技術開発投資+人材投資)という需要です。

何よりも民間投資に火をつけるには、デフレ脱却が必要です。

残念ながら、政府による(財務省主導の)緊縮財政がデフレを深化させ、国内資金需要の低迷を招いています。