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議会報告 政治・経済

「財政健全化」とは、政府の借金を減らすことではない2018/05/11    

政府が6月に発表する予定の「骨太の方針2018」に「PB黒字化目標」が入るかどうか…

それが、我が国の命運を決定します。

なぜなら、「PB黒字化目標」が盛り込まれてしまうと、政府の歳出総額に「枠」が嵌められ、何かの支出を増やしたら必ず別の何かの支出を減らさなければなりません。

例えば、社会保障費への支出が5,000億円分増えた場合、5,000億円分の公共事業費や防衛費や教育費を減らせ、ということになります。

何よりも政府の歳出総額が増えないと、市場への貨幣供給が滞りますので、物価は上昇せず(貨幣価値が低下せず)デフレを脱却することができません。

ただ、政府が歳出を増やさなくても、民間部門がレバレッジを効かせて(借金をして)投資してくれれば貨幣供給の拡大につながりますが、総需要の拡大が見込めないデフレ期には無理。

デフレ期に歳出を拡大できるのは政府だけです。

さて、その「PB黒字化目標」が、「財政赤字をGDPの3%以内にする」という新たな目標に変更されそうです。

『財政赤字、GDPの3%以内…政府が新たな目標
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180508-OYT1T50014.html

政府は、2021年度の財政収支の赤字額を名目国内総生産(GDP)の3%以内にすることを新たな財政再建目標として掲げる検討に入った。(後略)』

これって、結局は同じことです。

せめて、建設投資、国防、教育、科学技術、イン フラ整備といった投資系の支出については財政赤字の対象からはずすという話になるのであれば別ですが、そうはならないでしょう。

詰まるところ、赤字額をGDPの3%以内にする」という、新たな「PB黒字化目標」によって歳出総額に「枠」を嵌めることになります。

我が国は人口構造上、少子高齢化が進みますので、医療費や介護費が増えるのは必然です。

前述のとおり、歳出総額に「枠」を嵌めてしまうと、医療費や介護費が増えた場合、他の予算を削るか、もしくは増税するしかない、ということになってしまいます。

要するに我が国は、デフレのどん底に向かって転げ落ちています。

因みに、我が国最大の経済圏である東京都のGDPが3年連続でマイナス成長に陥っていることをご存じでしょうか。

東京都は消費中心の経済圏です。

なので、2014年の消費税増税(5%→8%)によって大幅に消費が落ち込んでしまい、マイナス成長になってしまったようです。

今はそれでもオリンピック景気で何とか下支えされていますが、オリンピック景気による影響だって、せいぜい2019年までです。

また、「働き方改革」と称する「残業時間の上限規制」が導入されると、日本全体で8兆円ものGDPが失われます。(大和総研)

そのうえ、2019年10月に更なる消費税増税(8%→10%)が断行されたら、いったい日本経済はどうなるのでしょうか。

空恐ろしい事態です。

何度でも言います。

「財政健全化」とは政府の借金を減らすことではありません。

政府の負債残高対GDP比率を低下させることです。

財政の黒字が出るということは、政府がその分のおカネを使っていないということです。

政府がおカネを使ってくれれば、国民の誰かがその分の所得を得られ、加えて国民の資産たるインフラが構築され消費も拡大します。

即ち、財政黒字とは、政府が国民を貧乏にするということなのです。

なぜか「国民を貧乏にする政策」が国民に受け入れられてしまっています。

財政支出(投資)の拡大によって高度成長を成し遂げた我が国のGDPは、なんと世界のGDPの18%を占めていました。(今は5%程度)

現在の中共を見ればわかるように、公共インフラを整備すれば必ず経済成長します。

財務省に代表される財政均衡主義者たちは、投資と消費の区別がつかないようで長期にわたる投資を嫌います。

消費は単年度の経費として計上されますが、インフラなどの投資は必ず減価償却されます。

そうした区別もつかない人たちが日本の財政を動かしています。