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議会報告 政治・経済

ハイブリッド戦争2018/05/07    

5月5日、ロシアの首都モスクワを含め数十都市で、プーチン大統領の4期目(通算)就任を前にした反政権デモが行われました。

“反プーチンデモ”と言えば、思い出されます。

2014年2月7日、ロシアのソチにおいて、第22回冬季オリンピックが華々しく開会されました。

プーチン大統領にとってソチ冬季五輪は、新時代のロシア皇帝としての威厳を世界に知らしめるためのビッグイベントになるはずでした。

ところが、その開会式から11日後、プーチン大統領の面目を叩き潰すかの如く、隣国ウクライナで反ロシアデモが発生します。

キエフの独立広場でデモ参加者に食べ物を配給する米国の外交関係者の姿もあったことから、デモが拡大するにつれ、プーチン大統領は米国政府(クリントン国務長官-当時-)の関与を疑いました。

とりわけ、クリントン国務長官(当時)には、モスクワで反政府デモが発生したとき、それをあからさまに支持した実績もありました。

その後、今度は米国の外交関係者がEUを汚く罵る言動が何者かに通信傍受され、ネット上に流出しました。

その目的は、ウクライナ情勢をめぐって協力し合っている米国とEUの関係を悪化させることにあったとされています。

むろん、このことはプーチン大統領による報復ではないか、と言われています。

あるいは、ヒラリー・クリトン候補とバーニー・サンダース候補が争った民主党の予備選挙の際には、民主党全国委員会のネットワークが何者かによりサイバー攻撃を受け、クリントン陣営の幹部の重要メールが内部告発サイトのウィキリークスを通じてネット上に流出します。

サンダース支持者はそれらのメール内容に大いに憤慨し、民主党支持者であるにもかかわらず、その多くが本選では共和党のトランプ候補を支持したとも言われています。

本選に突入してからも、クリントン候補の選挙事務所のネットワークが度々サイバー攻撃を受けハッキングされ、やはり6万通にも及ぶ大量のメールがこれまたウィキリークスを通じてネット上に流出しました。

メールの内容は小出しにされ戦略的に拡散されたこともあり、投票日にむけてクリントン候補の支持率はじわじわと落ち込んでいくことになりました。

クリントン候補を含め当時のオバマ政権は、これらの仕業は悉く「プーチン大統領の関与によるものだ」と断定したわけです。

真偽のほどは解りませんが、このプーチン大統領による米国大統領選挙への不当介入にトランプ陣営が関わっていたのではないか、というのがいわゆる「ロシアゲート疑惑」です。

私には、これらの真偽を確かめる術はありません。

解りませんが、仮にそうであったとすると、プーチン大統領はサイバー攻撃によって米国の民主主義に大きな影響を与えたことになります。

また、プーチン大統領は、巧みな情報操作を駆使しつつ、“リトル・グリーン・メン”と呼ばれる民兵(ほんとはロシアン兵?)をウクライナに送り込んでは親ロシア政府を支援し、終にはクリミアをも手に入れました。

サイバー攻撃、情報操作の駆使、民兵の活用、これらは紛れもなくハイブリッド戦争時代のリソースであり、残念ながら新時代の戦争の姿でもあります。

このハイブリッド戦争時代に、果たして我が国は憲法9条で対応できるのでしょうか。

一方、トランプ大統領は中国に対して貿易戦争を仕掛けていますが、このまま中国が米国市場から締め出されてしまうことになると、まちがいなく中国は「一路一帯」政策をより推し進めその捌け口とし、また地政学上、中ロ関係(習主席・プーチン大統領)の接近が加速されていくものと推察します。

当然のことながら、それらは我が日本国の国益を大きく損ねます。

とりわけ「一路一帯」の「一帯(海上シルクロード)」は、我が国のシーレーンを脅かします。

中ロ関係がうまくいっていなかった冷戦時代には、そのことが中国の南下政策を抑制してくれていましたが、北方(ロシア)への憂いが無くなった中国は、強気で南下政策を仕掛けてくることになるでしょう。

さて、日本政府として、それらへの備えは充分にできているのでしょうか?