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議会報告 政治・経済

増税を後押しする「展望リポート」2018/05/04    

4月28日に日本銀行から発表された『経済・物価情勢の展望』、いわゆる「展望リポート」は、消費税増税(8%→10%)について次のように述べています。

「2019 年度には、消費税率が2%ポイント引き上げられるものの、軽減税率、年金生活者支援給付金という複数の負担軽減措置や教育無償化が予定されている。この結果、家計のネット負担額は、2 兆円程度にとどまると予想される」

つまり、日本銀行が試算してみたら、家計の負担は2兆円程度なのだから「消費税を増税(8%→10%)しても大丈夫じゃね…」とのことです。

来年(2019年)10月に予定されている10%への消費税率アップを、展望リポートが後押しした形です。

日本銀行といえども、「弛まない消費税率アップ」を省是とする財務省様のご意向には逆らえないのでしょう。

とはいえ日本銀行は、れっきとした「政府の子会社」なのですから仕方のないことかもしれません。

本来は国民の代表であるべき政府が、財務省様に乗っ取られていること自体が深刻です。

さて、日本銀行の言う「2兆円程度の家計負担」が大きいのか少ないのか、というよりも、10%への税率アップが国民経済と財政にどのような影響を及ぼすのかが極めて重要です。

家計負担が2兆円増えれば、少なくともその分の個人消費が着実に減りますのでデフレ圧力になります。

もしもそこにPB黒字化目標が加われば、政府による財政出動(需要創造)などは絶対にあり得なくなりますので、容赦なく再々デフレ化します。

デフレ化 国民の貧困化、ですので「家計負担は2兆円程度だから良い」という話しにはなりません。

内閣官房参与で京都大学教授でもある藤井聡先生がご指摘されているように、8%のときよりも明らかに計算が容易になる10%という税率のもとでは、「増税のネガティブインパクト」はかなり大きいものになるのではないでしょうか。

私のような数字に弱い人間が0.08(8%)の掛け算を暗算するのは結構きつい話しです。

しかし0.1(10%)の掛け算なら容易です。

例えば、16,570円 × 0.08 = 1,326 円 です。

私はこれを瞬時に暗算できません。

一方、16,570 円 × 0.1 = 1,657円 となると、暗算は実に容易です。

このことが消費活動に与える影響は小さくない、と藤井聡先生は仰せです。

それに、消費税のもつ「逆累進性」は更なる問題です。

中低所得層にとっての1割負担は、高所得者層にとっての1割負担に比べて遥かに大きい。

そもそも日本経済は未だ、8%への消費増税ショックの後遺症に苛まれている状況下にあり、とても10%への消費増税などを議論する段階には至っていないのに。

下のグラフのとおり、2014年4月の消費税増税(5%→8%)後、国内需要のGDP寄与度は明らかに減退しています。

どんなに消費税税率を引き上げても、結局のところ税収の総額が減ってしまうのはこのためです。

よって、デフレ化の増税などあり得ない。

まずは「骨太の方針2018」からPB黒字化目標を削除することが必要です。

それが削除されないと、来年10月の10%への税率アップが既定路線になってしまいます。