〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 川崎市政

人口増減で経済財政を発想する愚2018/04/30    

通説では、「総人口に占める生産年齢人口(15~64歳人口)の割合が上昇すると経済成長が促される」と考えられ、逆に、「生産年齢人口の割合が減少すると経済成長は妨げられる」と考えられています。

前者がいわゆるDemographic bonus(=人口ボーナス)論であり、後者がいわゆるDemographic onus(=人口オーナス)論です。

また、現職の川崎市長は自身のブログで人口増はまちの活力の源であって素直に喜びたいですが、ともなって課題も山積です!子育て施策の充実や駅や道路などのインフラも近く到来する人口減少を見据えながら、やるべきことはやる難しい選択をしていかなければなりません」と言っています。

川崎市長によれば「人口増はまちの活力の源」であり、「到来する人口減少を見据えながら…」とも言っていますので、人口減は衰退要因であるとお考えのようです。

即ち川崎市長もまた、世の通説にしたがって「人口ボーナス論(=人口オーナス論)」を提唱されているわけです。

さて、これらの通説は本当に正しいのでしょうか?

下のグラフのとおり、世界には人口減少している国が日本以外に19カ国あります。

ところが情けないことに、1996年以降、経済成長していないのは日本だけです。

上のグラフのとおり、世界を見回しても、人口増減に関係なく経済成長していないのは我が日本だけです。

とりわけ、2016年の生産年齢人口とGDPを1996年比でみてみると、下のグラフのとおりになります。

この20年間で生産年齢人口がおよそ20%も減少してきた「ジョージア」や「ラトビア」をみてください。

生産年齢人口は着実に減少してきたにも関わらず、名目GDPは5倍近くも伸びています。

これを人口ボーナス論者たちはどのように説明してくれるのでしょうか。

そもそも「人口増がまちの活力の源」であったなら、人口爆発しているアフリカの国々はもっと発展してしかるべきではないでしょうか。

例えば、西アフリカのニジェール共和国の人口は、毎年3~4%増の勢いなのですから。

要するに、人口増減と経済成長の間には、ほとんど因果関係はありません。(むろん、全くないとは言いません)

むしろ、経済成長を決定するのは各種の投資額です。

そこで、2016年の投資総額(総資本形成)とGDPを1996年比でみてみますと、下のグラフになります。

20%以上の人口が減少しようとも、官民による投資(総資本形成)を怠らないかぎり経済成長は可能であるという事実を上のグラフは物語っています。

つまりは、人口が減少するからこそ投資(総資本形成)が必要である、と認識を持つべきです。

なのに、市長が人口増減で経済を考えてしまう結果、川崎市は政令指定都市の中で最も公的投資を行わない自治体になっています。

都市は、人口が減るから衰退するのではありません。

投資を減らすから衰退するのです。

因みに下のグラフのとおり、2012年以降、日本政府の研究開発予算はまったく増えていません。

こうした所業は、国家として自殺行為です。