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議会報告 政治・経済

南北首脳会談にみた「外交の背景としての存在と役割」2018/04/28    

昨日(4月27日)、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長による、11年ぶりの南北首脳会談が行われました。

それを日本のメディアも「歴史的対面」と囃し立てていますが、予想どおり共同発表や共同記者会見での日本人拉致問題への言及はありませんでした。

共同宣言や共同記者会見での言及どころか、(首脳同士)二人だけの話し合いの中においてもおそらくは日本の拉致問題は取り上げられていないような気がします。

昨日の共同宣言の肝は、なんといっても「南と北は、南北関係の全面的で画期的な改善と発展を成し遂げ、途絶えた民族の血脈をつないで共同繁栄と自主統一の未来を早めていく」という点でしょう。

もしも非核化がなおざりにされたまま半島の統一が進んだ場合、我が国にとっては「核をもった反日統一朝鮮」という厄介な隣国が誕生することになります。

となると、我が国は名実ともに米国による核の傘から外れることになります。

それにしても、昨日の南北首脳会談の様子をテレビで見ていて痛感したのは、昨日の会談はあくまでも文在寅氏(韓国)と金正恩氏(北朝鮮)による対等な話し合いだったはずですが、私にはそうは見えませんでした。

終始、金正恩氏が優位にたって会談を主導しているように映りました。

それはまるで属国の長が宗主国の長を接待するかのように。

その理由は明らかで、北朝鮮が核を保有しているからです。

第二次世界大戦が終了するあたりまでと現在では、軍事の役割は大きく変わりました。

何が変わったのかといえば、かつての軍隊は戦うための軍隊であったのに対して、現在のそれは外交の背景としての存在と役割が大きくなったことです。

軍隊とは「武力行使と武力行使の準備によって、与えられた任務を遂行し達成する国家の組織」です。

武力行使とは相手を撃滅・撃沈・撃墜することであり、それをできる能力を備えたうえで準備しているからこそ軍事としてのプレゼンスを発揮します。

戦場で実際に武力を行使するのではなく、ある地域に武力をもった部隊が存在することが戦争を抑止し、平和にとって需要な役割を果たすようになりました。

そして今や各国が、こうした軍事プレゼンスを背景にして外交を展開する時代になったのです。

軍事というものが外交の背景を為す存在になったことによって、現在のような一定の国際秩序と平和が維持されているのもまた事実だからです。

それは善悪の問題というよりも、そうした確固たる現実を認識する必要がある、ということだと思います。

首脳同士が集うとき、各首脳は自国の軍事力(情報力を含む)という鎧をまとって外交に望みます。

そして武力(軍事力)を行使することなく外交の成果をあげる

今回の南北首脳会談で成果をあげたのは、明らかに北朝鮮側です。

安倍総理は、文在寅氏に「会談での拉致問題への言及」を期待していたようですが…

交戦権を持たず、軍事裁判所を持たず、適地攻撃能力を持たず、情報力及び諜報力をも持たない。

そんな国の外交的要望がまかり通るほど国際社会は甘くない。