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議会報告 政治・経済

金融主権も財政主権も持っているのに…2018/04/20    

政府による「政策の不作為」(=緊縮財政)から長引くデフレで苦しんでいるため、よそ様の国についてとやかく言えた経済情勢ではありませんが、過日に総選挙を終えたイタリアもまた不景気で苦しんでいます。

ジェトロによれば、イタリアの2018年実質GDP成長率の予測値は1.1~1.5%で、2017年見通し(1.5%)を下回っています。

その要因の一つには、イタリアの銀行が抱えている巨額の債務問題があります。

ブルームバーグによれば、イタリアの銀行は欧州全体の3分の1を占める3490億ユーロ(4000億ドル)の不良債権を抱え融資の回収に苦戦しています。

中には経営が悪化し、事実上デフォルト状態に陥っている銀行もあります。

更には、イタリア経済もまた、どこぞの国と同じでデフレに苦しんでいるようで、イタリア政府は財政拡大政策を採りたいところですが、ご承知のとおりそれは叶いません。

なぜかと言えば、イタリア政府にはEU加盟国としてプライマリーバランス(以下「PB」)の縛りがあり、財政拡大のための国債を発行するにしても残念ながら自国通貨建てではなく共通通貨ユーロ建てで起債せざるを得ず、そこでまた縛りがかかります。

よって、イタリア政府はおカネを使えない。

デフレ経済の常として、家計も企業もおカネを使わない。

その上、政府もまた需要創出(財政拡大)できないのですから弱り目に祟り目で、デフレ脱却も景気回復も不可能です。

そしてイタリア政府は破綻しそうな銀行を救うことすらできません。

繰り返しますが、イタリアはEUに加盟し共通通貨ユーロを使っています。

イタリア政府が公的資金を投入して銀行を救済するためには、国債を発行してユーロ資金を調達する必要があります。

むろん、その国債(ユーロ建て)をイタリア政府が返済することになるわけですが、イタリアの中央銀行にはユーロを発行する権限がありませんので、デフォルトの可能性が高まってしまうわけです。

即ち、ユーロを使用するイタリア政府には「通貨発行権」がなく、更にはEUに加盟しているがために「財政均衡」を是としなければならない。

そうです…イタリア政府には金融・財政についての主権がないのです。

ユーログローバリズムという国際協定に参加した以上、金融・財政のみならず、加盟国は様々な主権制約を受け入れなければなりません。

グローバリズムとは、即ち「主権の喪失」であることの所以です。

幸いにして我が日本国には、円という独自通貨の発行権があり、PBに縛りをかける国際協定もありません。

※ 自国通貨建てで国債を発行している国にデフォルト(破綻)はあり得ない。(典拠:IMF)

※ 財政規律の基準はPBではなく、政府債務対GDP比である。(典拠:G20サンクトペテルブルク・サミット首脳宣言)

つまり日本には、政府が財政を拡大しデフレを脱却する術があるということです。

にもかかわらず、日本政府(安倍政権)は財政に自らPBの縛りをかけ、その一方で日本国及び日本国民の主権を制約するTPP(国際協定)への参加を米国に求めています。

いったい何をやっているのでしょうか。(怒!)