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議会報告 政治・経済

米国の通商戦略への備えはあるのか2018/04/14    

関税をめぐって、米中の攻防が続いています。

4月3日、米国企業が保有する知的財産権を中国が侵害したとして、米国は中国からの輸入品500億ドル相当に25%の関税を課しました。(対象外品目あり)

対する中国は翌日、その報復措置として、航空機や大豆など米国からの輸入品500億ドル相当に25%の関税を課すと応じています。

すると米国は翌5日、課税対象品目を広げ1000億ドルの積み増しを検討すると表明しました。

自由貿易こそが各国の経済厚生を最大化させる、と主張するグローバリスト(ネオリベ)たちは、この関税攻防を「貿易戦争」と呼び、なおかつ「貿易戦争に勝者なし」といって批判しています。

さっそく我が国では「貿易立国の日本にとって極めて深刻な話しだぁ」と言う論者が出現していますが、果たして日本は本当に「貿易立国」なのでしょうか。

そもそも「貿易立国」の定義って何だ?

例えば貿易依存度を国際的に比較してみても、下のグラフのとおり、日本のそれが特に突出しているわけではありません。

ドイツや韓国が貿易立国と言われるのであればまだ解りますが、GDPの7割以上を内需で占めている我が日本が、どうして貿易立国なのかはよく解りません。

さて、来週いよいよ日米首脳会談が行われます。

安倍政権はあくまでも米国をTPPに復帰させる戦略のようです。

『日米、通商で新対話 首脳会談で政府提案へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29365340T10C18A4SHA000/

政府は日米両国の通商のあり方を議論する新たな対話の枠組みを提案する方針だ。安倍晋三首相が17、18両日に米国で開くトランプ大統領との日米首脳会談で言及する見通し。トランプ氏が米通商代表部(USTR)に検討を指示した米国の環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰の呼び水にする狙いがある。(後略)』

因みに、時たま「日本の市場は閉鎖的だ」みたいな言われ方をしますが、関税率を国際的に比較してみても、下のグラフのとおり、これまた日本のそれが特に突出しているわけではありません。

評論家の中野剛志先生が、次のように実に興味深い見解を示されています。

「米国市場から締め出された中国は、いよいよ一路一帯政策を強化し、ユーラシア大陸の内陸部への進出をより強め、南シナ海、東シナ海への進出を本格化させ、ロシアもまた中国への接近を図るであろう」(中野剛志氏)

即ち、米国の貿易(通商)戦略が、めぐりめぐって日本の安全保障を脅かすことになるわけです。

となると、TPP交渉であろうが、二国間交渉であろうが、「日米同盟の強化が大事だ」とか言って、安全保障を米国に依存しきっている我が日本国は、まちがいなく通商での大幅な譲歩を迫られることになります。

いつも言うように、現在の世界では、その国の軍事力は外交の背景として存在しています。

背景となる軍事力の強弱が、まさにその国の外交力を決定するわけです。

トランプ米大統領は思いつきで貿易戦争を惹き起こしているわけではないようです。

相手を選びつつ、かなり戦略的に仕掛けています。

そうした明確な通商戦略をもって臨んでくる米国に対し、今の日本政府が米国の一枚上手をいくような通商戦略で対峙できるとは思えません。

この期に及んで、まだ「TPPへの復帰…」などと言っているくらいですので…