〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

リフレ派の敗北 !?2018/04/10    

日銀副総裁の岩田規久男氏が、先月をもって副総裁の職を辞されました。

岩田規久男氏といえば、「マネタリーベース(紙幣+硬貨+日銀当座預金)を増やせば物価は上昇しデフレを脱却できる」とするいわゆる「リフレ派」の中心的人物でした。

その岩田規久男氏が、退任後の日本経済新聞の取材に対し、マネー供給で物価上昇が実現できるとした就任時の考えを「単純すぎた」と語ったそうです。

『国債買いで物価2%「単純すぎた」 岩田規久男氏
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28642670X20C18A3EE8000/

日銀が異次元の金融緩和を始めて5年。積極策を主導した「リフレ派」の岩田規久男・前副総裁が19日の退任後、日本経済新聞の取材に応じた。国債の大量買いによるマネー供給で物価上昇2%が実現するという5年前の就任時の考えを「単純すぎた」と語った。積極的な財政政策をめざして政府と日銀の共同声明を見直す考えにも触れた。(後略)』

在任中は言いたくても言えなかっただけで、さすがの岩田規久男氏もやっぱりそのように思っていたのですね。

第二次安倍政権が発足し、日銀が黒田体制になってはじめられたリフレ政策によって、341兆円(2018年3月末時点)のマネタリーベースが増えました。

ところが物価は、消費税増税(5%→8%)による強制的な物価上昇分を差し引くと、一度として2%に達したことがありません。

このように数字が歴然と物語っていますので、リフレ派の岩田規久男氏もさすがに敗北を認めざるをえないでしょう。

因みに、岩田規久男氏は「消費税増税による悪影響も大きかった」と、今朝の経済番組で述べておられました。

そもそもリフレ派は「デフレは貨幣の不足現象だ」と言ってきましたが、その不足している「貨幣」の定義を間違えたことが彼ら彼女らの最大の欠点だったと思います。

なんとリフレ派は「貨幣=マネタリーベース」としたのです。

そんなわけないでしょ…(上記のグラフがその間違いを証明しています)

デフレである今、不足しているのは「モノやサービスの購入(需要)」というおカネ(貨幣)です。

つまり「貨幣=総需要(名目GDP)」です。

内閣官房参与で京都大学教授の藤井聡先生はこれを「アクティブマネー」と呼んでおられます。

いわば「使われるおカネ」と言ったところでしょうか。

どんなにマネタリーベースを増やしたところで、誰かがモノやサービスを購入(需要)してくれないかぎり、絶対に物価は上昇せず、デフレを脱却することはできません。

では、誰がおカネを使うのか?

家計や企業などの民間部門が使ってくれれば理想的なのですが、それが叶わないのがデフレ経済です。

よって、政府部門が使えばいい。

政府が創るべき需要(おカネを使うべき対象)はたくさんあります。

医療、介護、教育、防衛、環境、農業、都市インフラ、エネルギー、そのほか各種の技術開発投資などなど。

財源は?

それこそ、貯まりに貯まった「日銀当座預金」(マネタリーベースの一部)です。

これを政府が借りて使うだけです。

そしてこれを「財政政策」といいます。

財政政策なくして、デフレ脱却はありません。

上記の記事においても、リフレ派の総帥たる岩田規久男先生も言っておられるではありませんか、「積極的な財政政策をめざすべきだ」と。

財政政策の必要性をお認めになっておられる以上、もはや岩田規久男先生はリフレ派ではないのかもしれません。