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議会報告 川崎市政

デフレ前提の地方政治2018/04/08    

IMFの統計によれば、2000年から2017年までに人口が減少した国は、我が国を含めて世界に20カ国あるとのことです。

その20カ国の人口減少率をグラフ化してみました。

2000年から2017年における我が国の人口減少率はわずか0.1%で、国際的にみればほとんど誤差の範囲としか言いようがありません。

なのに、巷では「人口が減っているから、もう日本は駄目だぁ~」みたいな負け犬議論が盛んです。

川崎市当局も「人口減少により、財政事情は益々もって厳しくなる」と繰り返し議会答弁しています。

過日に成立した平成30年度川崎市一般会計予算は前年度比で3.9%の増でしたが、市債発行額は前年度比で0.8%の減です。

人口増にともない、たまたま市税収入が増加(前年度比13.3%増)したこともあり、今回はこの程度の市債発行の「縮減」で済みましたが、もしも市税収入が増えていなかったとしたら更なる歳出カットが為されていたことでしょう。

現在の川崎市政において新規事業予算が計上されるにためには、それに見合う税収増があるか、もしくは他の事業予算の削減が前提になります。

その理由は、「プライマリーバランスの安定的な黒字の確保」という基本思想が市長を中心に行政内部にあるからです。

結果、「人口が減る」「経済は成長しない」「税収は減る」「だから行政は常に収支を黒字化させなければならない」という考え方に陥るわけです。

この考え方に陥ると、行政の新規事業は「税収増」もしくは「他の予算をカット」が大前提、ということになります。

この「プライマリーバランスの安定的な黒字の確保」こそが、地方行政を含め日本の政治の宿痾です。

更に恐ろしいのは、川崎市は「収支フレーム」を算定するにあたり、過去の推移や経済動向等を踏まえて算定する、としていることです。

「過去の推移や経済動向等を踏まえる」とは、要するに「デフレが前提だ」ということです。

「人口が減るから、ずっとデフレだ」と言いたいのか、それとも「国の無策が続くから、ずっとデフレだ」と言いたいのかよく判りませんが、少なくともデフレの要因を人口減に求めるのは間違いです。

なぜなら、前述のグラフでお示した日本以外の人口減少国(19カ国)は、すべて立派に経済を成長させています。

成長していないのは日本だけです。

日本だけが成長していない理由もまた、国による「プライマリーバランスの黒字化目標」にあります。

デフレ期にプライマリーバランスを黒字化させようとすると、かえって経済成長を抑制してしまい税収が減るからです。

税収が減ると、「増税か歳出カットが必要だ」となってプライマリーバランスの黒字化が重視されます。

プライマリーバランスの黒字化が重視されるとまた、デフレ化して税収が減ります。

税収が減るとまた…

来る6月に策定される『骨太の方針2018』において、この「プライマリーバランス黒字化目標」が削除されることを切に願うばかりです。