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議会報告 川崎市政

行政の負債縮小が国民の所得を奪う2018/04/07    

政治の目的は経世済民です。

経世済民とは、国の安全を守り、国民を豊かにすることです。

「国民を豊かにする」の定義は、国民の所得を増やすこと。

国民の所得が増えていくと、自然、各種のモノやサービスの生産が増えていくことになります。

所得とは、生産されたモノやサービスを購入したときの対価ですので当たり前です。

また、企業を含め国内の所得の合計がGDPです。

GDPが拡大すると、自然、税収も拡大します。

税金は主として所得(名目値)から支払われますので、これまた至極当然のことです。

近年、日本政府の歳入が不足している理由は、長引くデフレでGDPが継続的に増えていかないからです。

よって、税収不足を解消したいのであればデフレを脱却すればいいだけの話しです。

それを怠り、歳出カットしか考えられない政治は経世済民に反しています。

『社会保障費の削減どこまで 財制審、健全化新計画の議論開始
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29095410W8A400C1EA3000/

財務相の諮問機関である財政制度等審議会は6日、政府が6月の新しい財政健全化計画に反映させる提言づくりの議論を始めた。国の歳出の最も大きな部分を占める年金や医療など社会保障費を抑える具体策を話し合う。(後略)』

日経の記事のとおり、財政制度等審議会は政府の社会保障費(年金や医療など)を抑えるための具体策を話し合っているとのことですが、要は社会保障費の伸び率を税収の伸び率が上回れば何も問題はないはずです。

国の政治がこのようなノリなものだから、地方行政もまた「歳出カット行政」にひた走っています。

むろん川崎市政においても、ご多分に漏れず、です。

下のグラフのとおり、川崎市は2005年以降、市債償還額が市債発行額を上回るように予算を組んでいます。

即ち、負債を縮小する緊縮政策です。

家計簿はそれでいいのですが、中央政府や地方行政が一丸となって負債を縮小してしまうと経済は余計にデフレ化します。

金利を除いた川崎市のプライマリー・バランスの推移をみますと、下のグラフのとおりになります。

※プライマリー・バランス =(歳入-市債発行額)-(歳出-市債償還額)

驚いたことに、この12年間で、なんと川崎市は715億円もの負債残高を減らしています。

川崎市という政府部門による715億円の負債縮小が何を意味するのか。

それは、715億円の市内総生産(市内GDP)の喪失を意味します。

つまり市民(民間部門)が獲得するべき715億円の所得が奪われてしまったことになります。

通貨発行権のない地方行政としては、いたずらに負債を拡大することはできないわけですが、それにしても縮小しすぎかと思われます。

川崎市の実質公債比率をみても、政令市平均を下回っています。

横浜市の実質公債比率をみますと川崎市の倍の水準になっていますが、だからといって横浜市が財政破綻する可能性などあるでしょうか。

あるとは思えません。(家計簿的発想者は横浜市の実質公債比率をみて「放漫財政」とでも言うのでしょうけど…)

公債費とは、発行市債の元利金支払いなどに要する経費のことです。

よって実質公債比率は、いわば「1年間の収入に対する借金返済の負担割合」です。

市債は、道路や鉄道や上下水道などの都市施設等を建設する際などに、現役世代だけでなく、将来その施設を利用する住民の皆さまにも費用を負担して頂くために敢えて発行されるものです。

大都市ほど大きな施設の建設が必要になることから、市債の発行額と償還額は大きくなりがちなわけです。

詰まるところ、横浜市は川崎市に比べ、市民のために必要な投資を怠ることなく継続している、とみるのが妥当なのではないでしょうか。

行政の投資は、まずそれだけで市内総生産(市内GDP)になります。

やがて将来の市内GDPと税収をも拡大させます。