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議会報告 政治・経済

お薦めの書『経済学者はなぜ嘘をつくのか』2018/04/06    

「経済学を学ぶ理由は、経済学者に騙されないためだと経済学者ジョーン・ロビンソンは警句を発したと言われています。

なるほど、特殊な前提条件の下でしか成り立たない経済理論をくりかえすばかりで、現実経済を説明することができない経済学者に騙されないように「正しい経済の知識を身につけよ」ということなのでしょう。

その正しい知識を身につけるために、お薦めの一冊があります。

『経済学者はなぜ嘘をつくのか』(青木泰樹著)

「経済学者を信じてはいけない」という強烈な序章からはじまるこの書は、まさに経済学者が嘘をつく理由について実に解りやすく説明してくれています。

何よりも、政治の世界がそうであるように、経済学者の世界もピンキリであることが解ります。

幸いにして私は、青木泰樹先生とお話しをさせて頂く機会を得たことがあるのですが、先生が次のように述べられていたこをよく覚えています。

「経済学者の経済認識と現実経済のズレが拡大している以上、経済学者の言をそのまま信じては現実経済の動向を見誤ることになります」(青木泰樹先生)

先生のお言葉どおり、現実はそのようになっています。

例えば、「中央銀行がマネ多リーベースを拡大すれば、マネーストックが拡大しデフレを脱却できる」と彼らは言います。

ところが、現実の経済は未だデフレです。

それもそのはずで、中央銀行がマネタリーベース(現金)を増やしたところで、貨幣乗数が下がるだけでマネーストック(現金+預金)が拡大するとは限りません。

※貨幣乗数 = マネーストック(現金+預金) ÷  マネタリーベース(現金)

現に、アベノミクス以降(リフレ政策以降)、貨幣乗数は下がっています。

さらに言えば、仮にマネーストック(現金+預金)が拡大したところで、消費や投資といった需要におカネが使われるとは限りません。

それに、消費や投資といった需要におカネが向かわなければ、株や土地などの資産価格が上昇することはあっても物価は上昇しません。

下のグラフのとおり、現にそうなっています。

ところが、ピンキリの「キリ」の部類に属す経済学者たちは、こうした事実を悉く無視します。

彼らの伝家の宝刀は、「無視」です。

リフレ政策のみならず、TPP、グローバリズム、デフレ下での財政均衡主義・消費税増税・規制緩和などなど、これらは日本経済と国民生活を痛めつける間違いだらけの経済政策です。

青木泰樹先生のようなまともな経済学者の提言がまったくと言っていいほどに政策に反映されないのは、経済学の世界ではまともな学者が圧倒的に少数だからなのでしょう。

特殊な前提条件の下でしか成り立たない経済理論をくりかえし現実経済を説明することのできない経済学者……

そうした経済学者の単位を取得しなければ大学を卒業できない学生たちもまた不憫です。

いつの時代でも、世の中が閉塞感に包まれているときは、正しい意見が常に少数派なときなのかもしれません。