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議会報告 政治・経済

貨幣観の誤りが日本を小国化させている2018/04/05    

『未来投資会議』の議員である竹中平蔵氏が、仮想通貨について次のように述べておられます。

「仮想通貨は、基本的には今出てきてるUBERやAirBnB等と基本的には同じだと思います。今までは、一種の国がお墨付きを与えるようなインフラがないと社会が機能しませんでした。例えば私がどこかに宿泊するとなると旅館業法に基づく旅館やホテルじゃないと安心して泊まれなかったわけですよね。同じように、通貨決済の手段としても、国や権威やお墨付きが無ければ安心できなかったのだけれども、新しい技術を駆使することによって、そうじゃなくてできるようになった。なので、このような一連の流れで、UberがありAirBnBがあり、同じような意味で仮想通貨があると認識しています。」(竹中平蔵氏)
https://coinchoice.net/takenaka_heizo_bitcoin1/

要するに竹中先生は「ITのイノベーションによって、国家権力による介入や規制を必要とせずに通貨が発行できるようになった」と言いたいようです。

ところが皮肉にも、財務省(国家機関)が仮想通貨の海外総金についてルールを整備するとのことです。

『仮想通貨の海外送金、財務省がルール明示
資金洗浄を抑制
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29013240U8A400C1EE8000/

財務省は、ずさんな管理が問題視される仮想通貨を使った海外送金のルールを整備する。3千万円相当分超の支払いを当局に報告する基準を明確にする。財務省は将来、国境を越えたモノやサービスの取引を決済するのに仮想通貨がさらに使われていくとみる。わかりやすいルールが必要なため、主要国に先行してつくる。(後略)』

つまり、竹中先生によれば「UberがありAirBnBと同じように、国や権威やお墨付きが無くても安心して通貨決済の手段として使えるようになった」とのことですが、現実にはなっていません。

先日も、コインチェックが運営する取引所のシステムが不正アクセスを受け、約580億円相当の仮想通貨が流出しました。

『現代貨幣理論』によれば、通貨は徴税権をもつ国家によって発行されるからこそ、その価値が担保されているとのことです。(中野剛志『富国と強兵』)

即ち『現代貨幣理論』は竹中先生とは真逆で「国や権威によるお墨付きのない通貨では安心できない」と言っています。

この貨幣観の違いは、非常に重要だと考えます。

現代貨幣理論の貨幣観は「信用貨幣」(おカネは負債)であり、おそらく竹中先生の貨幣観はいわゆる「商品貨幣」(おカネはモノ)です。

貨幣(通貨)を「負債」と考えれば、その価値を担保するために国家の存在や介入を必要とします。

一方、貨幣(通貨)を「モノ」と考えれば、国家の存在や介入は不要だ、となります。

しかしながら、もしも通貨が「モノ」であるとするならば、原則として経済取引は物々交換ということになってしまうので、この世にデフレは存在しないことになります。

そんなはずはない。

デフレとは、通貨という「負債」の不足状態です。

企業が内部留保を貯め込み、企業貯蓄率がプラス化している今、負債を拡大できる唯一の経済主体は政府部門です。

即ち、求められている政策は、政府による国債発行と財政出動です。

政府の政策が未だそこに至らないのは、まさに「貨幣観の誤り」かと思われます。