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議会報告 政治・経済

新たな財政健全化計画の議論、始めました.2018/03/30    

経済の絶対原則!

それは、「使ったおカネは消えてなくならない」ということ。

政府がおカネを使おうが、企業がおカネを使おうが、使われたおカネは絶対に誰かの所得(GDP)になっています。

下のグラフのとおり、家計の貯蓄率が常にプラス化しているのは誰かによっておカネが使われてきたことの結果です。

グラフのとおり、1998年のデフレ突入以降、家計の貯蓄率は減少傾向にあるものの、それでも辛うじてプラス状態にあります。

一方、この世には、絶対に貯蓄率をプラス化してはならない経済主体があります。

それは企業という経済主体です。

企業は常に「負債」を拡大させるべき存在であり、借金を梃に投資と雇用を拡大し、技術開発を含め生産性の向上を図ることで利益を上げ成長していきます。

その点、国民経済にとって「企業による借金(レバレッジ)」こそは、体の隅々に血液を送り込む、いわば心臓のポンプ機能のようなものです。

そうした企業活動の連続性によって国の経済(GDP)は成長していきます。

むろん、GDPの安定的な成長が国民に豊かさをもたらします。

しかしながら、「負債を拡大させるべき企業」の貯蓄率をみますと、下のグラフのとおり長期にわたってプラス化しています。

健全な経済情勢であれば、企業の貯蓄率は常にマイナス化します。

企業貯蓄率のプラス化は実に不健全で、企業の負債を抑制するデレバリッジや、コスト削減などのリストラを恒常化させます。

この企業貯蓄率のプラス化が、日本の総需要を破壊しデフレを長期化させているのです。

それでも家計が貯蓄率をプラス化できたのは、政府が貯蓄率をマイナス化させてきたらです。

巷では「政府の赤字はけしからん!」と騒ぎ立てる人もおられますが、もしも政府や企業が共に貯蓄率をプラス化させたらどうなるのかをよく考えてもらいたい。

まちがいなく、家計の貯蓄率はマイナス化します。

さて、デフレとは物価が下落する(貨幣価値が上昇する)経済情勢のことです。

なので、デフレを脱却するためには、貨幣価値を上昇させなければなりません。

貨幣価値を上昇させるために必要なのが、資金需要の拡大です。

そして国内の資金需要は、政府と企業の貯蓄率で決まります。

家計は、預金や保険などを通じた資金の供給者となりますので、その資金を使うのが企業なのか、それとも政府なのか、ということになります。

そこで、政府と企業の貯蓄率からみたアベノミクス以降の資金需要(ネットの国内資金需要)をみますと、下のグラフ(グレー色の面グラフ)のとおりになります。

当初は、GDP対比で2%(約10兆円)程度の資金需要を作り出していましたが、安倍政権は次第に緊縮財政に舵を切っていったがゆえに、ほぼゼロ%で推移しています。

因みに、1990年(バブル経済のころ)の資金需要(ネットの国内資金需要)は、GDP対比で約10%(約45兆円)もありました。

さすがにこれは過剰な資金需要でした。

これだけ過剰になると、必要以上に信用創造が膨らんで貨幣の量が増えていきます。

その過剰流動性が不動産屋や株式に流れ込んで「バブル」になったわけです。

その後バブルが崩壊し、橋本内閣が緊縮財政に踏み切ったことで日本経済は名実ともにデフレに突入しました。

以降、企業の貯蓄率がプラスに転じてしまったわけです。

そして未だプラスのままです。

企業の貯蓄率を本来の姿(マイナス)に戻すためにも、政府は負債(赤字)を拡大して資金需要と名目GDP(総需要)を創出していくことです。

前述のとおり、資金需要が拡大されれば貨幣の価値は下がりデフレは克服されます。

また、総需要の拡大は、企業による各種の投資と消費を呼び込みます。

結果、企業の貯蓄率はマイナス化(健全化)し、経済(名目GDP)が拡大していくことになります。

名目GDPの拡大は、歳出カットではなく「税収増」という本来の財政再建を進めます。

繰り返しますが、政府の赤字は必ず誰かの黒字になります。

とはいえ、「財政赤字は無駄じゃない!」と叫んだところで、今の世間では一向に理解されない。

昨日(3月29日)、総理の諮問機関である『経済財政諮問会議』が、緊縮財政に基づく新たな財政健全化計画の議論を始めました。

「冷やし中華、始めましたぁ」みたいに…