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議会報告 政治・経済

都合の悪いことは伏せる財務省の習性2018/03/19    

森友問題で国会が揺れ続けています。

組織的であろうが個人的であろうが、文書主義の行政において、不当な公文書の書き換えが為されていたことは誠に由々しき事態です。

そういえば財務省はこれまでにも、自省にとって都合の悪いデータを無視し、いい加減な学術レポートを盾にインチキ指標を財務省見解としてきた経緯があります。

典型的なのは、税収弾性値。

税収弾性値とは、経済成長(GDP成長)に伴って税収がどの程度増えるのかを示す指標です。

計算式は次のとおり…

税収弾性値 = 税収の増加率 ÷ 名目GDPの増加率

即ち、名目GDPの伸び率が高まると、それに合わせて税収の伸び率が増え、逆に、名目GDPの伸び率がマイナス化すると税収の伸び率が下がります。

この度合いが税収弾性値です。

藤井聡先生(京都大学教授・内閣官房参与)によれば、現在の日本の税収弾性値は少なくとも3~4とのことです。(例えば名目GDPの成長率が2%なら税収の伸び率は6~8%になる)

なのに、今なお財務省はその事実を伏せ、インチキな学術レポートを盾に「税収弾性値は1.1だ」と頑なに言い張っています。

なぜ、言い張るのか?

もしも税収弾性値が3~4であることを認めてしまうと、財政出動の必要性が明らかになって、財務省の省是が否定されることになってしまうからです。

下のグラフのとおり、1995~2016の税収弾性値の平均は「5」ですので、財務省の言い張る「1.1」説よりも、藤井聡先生(「3~4」説)のほうが信頼性が高いのは明らかです。

要するに、財政出動(歳出拡大)により名目GDPを成長させれば自然に税収が増えるのですが、財務省の省是で緊縮財政(歳出抑制)が断行されているために税収が減り続けているわけです。

政府の債務残高を増大させた真の要因は、公共事業のやり過ぎなどではなく、たんにデフレによって名目GDPが成長してこなかっただけの話しです。

名目GDPの低迷 ⇒ 税収の不足 ⇒ 穴埋め財源として赤字国債の発行…というメカニズムで我が国の政府債務残高は膨らんできたのです。

あくまでも「税率アップ」と「歳出削減」が財務省の省是であって、「税収アップ」と「歳入拡大」は省是でないところが凄い。

税収弾性値のほか「プライマリーバランスの黒字化目標」もそうです。

本来、財政再建で重視されるべきは、政府債務対GDP比率であって、プライマリーバランスではないはずです。

国際的にも、財政健全化の定義は「政府債務対GDP比率の低下」です。

財務省はそうした事実を無視し(隠し)、「財政再建とはプライマリーバランスの黒字化のことだ」と言い張って歳出を抑制し、国民を貧困化するデフレ経済を放置しています。

なぜなら、もしも「政府債務対GDP比率の低下こそが財政健全化である」ということになってしまうと財政出動が肯定され、これまた財務省の省是に反することになるからです。

要するに、文書改竄とまではいかなくとも、“都合の悪いことは伏せる”という財務省の習性は今にはじまったことではありません。

こうしたことを公の場で、真っ当に指摘し問題視することができなかった野党やメディアにも大きな責任があるのではないでしょうか。